節分香

今日は節分。
文字通り?季節の分かれ目、変わり目の日。
「大寒」の最終日、「立春」の前日にあたり、冬から春へと季節が変わる節目の日となっています。
尤も、立春、立夏、立秋、立冬の前日はそれぞれ節分となりますが、「節分」と云えば特に「立春」の前日を指すようになっています。

『日本国語大辞典』には、「四季のうち、冬から春になる時を一年の境と考えた時期があり、大晦日と同類の年越行事が行われる。近代はこの夜、ヒイラギの枝にイワシの頭を刺したものを戸口にはさみ、節分豆と称して、煎った大豆をまいて、厄払いの行事を行う。」とあります。

季節の分かれ目には邪気が忍び込みやすいとされています。
邪気を象徴する鬼が入ってこないように、焼いた鰯の頭の匂いとヒイラギ【柊】の葉の棘で、また「鬼は外、福は内」の掛け声とともに豆を投げて、邪気払い・鬼払いをするのが習わしとなっています。

当方でも習いにしたがって、ヒイラギにイワシを刺し、豆を撒き、散らし寿司とけんちん汁をいただきました。
尤も、イワシは市販の「焼うるめ」なので、邪気払い・鬼払い、そして無病息災を願う「おまじない」としての効き目は、若干弱いのかもしれません。 (^^)

鬼の姿は、尖った角を持ち、黄色と黒のシマシマパンツ・褌が定番となっていますが、鬼門の方角は北東で艮(うしとら)、即ち「丑」と「寅」の間であることから、牛の角と虎の縞々を掛けているようです。

鬼の色は、青鬼と赤鬼が定番です。
辞書によると、青鬼は地獄で罪人を責めるという鬼、赤鬼は地獄で罪人を責め苦しめるという鬼、となっていますから、赤鬼の方が「苦しめる」分だけ、青鬼より少し怖いのかもしれません。 (^^)

志野流香道には組香「節分香」があり、香種として青・黄・赤(鬼)が登場します。

【節分香】(先代家元・蜂谷幽求斎宗由宗匠試作)

◆香三種
青として 二包に認め内一包試
黄として 三包に認め同断
赤として 四包に認め同断

◆聞き方など
試み:青・黄・赤
本香:青一包、黄二包、赤三包の計六包を打ち交ぜて炷き出す

全当たりには、点数の処に「福は内」と記す。

全当たりが「福は内」なら、香銘の一つに「鬼は外」を入れるのも面白いかもしれません。

と、ここまで記してハタと気づきました。

青、黄、赤…?
何、コレ?

青・黄・赤と云えば、信号機の配列と同じです。
遊び心がたっぷり?

今年の歳徳神が宿る恵方の方角は東北東とか…。
名古屋城を中心にして尾張四観音が配されていますが、今年は龍泉寺が恵方に当たるようです。

明日はいよいよ春が立つ「立春」です。