この冬一番の寒波襲来により、当地でも屋根にうっすらと積雪が見られ、一日中ちらちらと小雪が舞う冷たい一日となりました。
暦通りの二十四節気「大寒」を実感させられます。

※蝋梅

※侘助

※水仙

十日後は節分、そして明くる4日は立春と思うと、気分だけでも春はもうすぐです。 (^^)

大徳寺発行の『紫野』を目にする機会がありました。
宗務総長・福代洋道氏の巻頭言「謹賀新年」の中で、「三級浪高魚化龍」(さんきゅうなみたこうして、うおりゅうとかす)という故事について、以下のような解説がありました。

「かって中国の夏王朝を開いた禹(う)が、黄河の治水をした際に、上流の竜門山を三段に切り落とした為に三段の瀑布ができました。
これを「竜門三級」と称し、毎年、桃の花が咲く頃に多くの魚(鯉)が黄河を登り竜門山下に群集して竜門三級を目指し、登り切った魚(鯉)は頭上に角(つの)が生え、尾を昴(たか)げ龍となって雲を起こし、天に昇るという伝説です。
数多(あまた)の関門を乗り越えることによって自らが新たなる境地に至ることができるということから、立身出世の為の難関を「登竜門」と呼ぶ様になりました。」

巻頭言では、続いて藤井聡太八冠達成の快挙に触れ、「正に三段の滝ならぬ八段の関門を透過されたわけであります」と偉業を祝福されています。

上記の故事は茶道具の棗にも描かれていて、当方でも稽古の折に棗を楽しんでいます。

今年の干支は「甲辰(こうしん・きのえたつ)」。
十二支の辰(しん・たつ)は十二支獣では「龍・竜(りゅう・たつ)」にあてられています。
十二支獣の中では、唯一実在しない想像上の「龍・竜」です。