旧暦三月三日

今日は旧暦の三月三日。
「上巳の節句・桃の節句・雛祭の日です」と言われても、なんだかねぇ…、遠い昔の話のように感じてしまうのは、矢張り春爛漫の櫻花がなせるところでしょうか。
一昨日の強風で櫻花は随分散ったようですが、お花見はまだまだ楽しめるようです。

当ブログの投稿回数は今回で1100回となるようです。
あること、ないこと、こき交ぜながら、よく続いているものだと我ながら感心して(呆れて)います。 (^^)
まぁ、ぼちぼちと…。

※鉢植えの和水仙

以前、競馬香・名所香・矢数香の盤物を行うことができる「三組盤」について触れた覚えがあります。
とても高価な品で、私的には眺めて楽しむばかりの「高嶺の花」です。
志野流香道の組香目録には「外盤物十組」として、花軍香・闘鶏香・芳野香・六儀香・源氏舞楽香・蹴鞠香・相撲香・龍田香・呉越香・鷹狩香の十組が載っています。
全て盤物ですからゲームとして楽しむには、専用の盤、人形や櫻などの立物、そして専用の札等が必要なことは自明の理です。

1100回を記念(?)して、盤物の聞き方などについていささか調べてみました。
現在では、盤や人形、小道具や立物、そして専用の札等は手に入らないのが実情で、盤上でのそれらの動かし方についてはすべて省略となります。(品々は、ある所にはあるのでしょうが…)

外盤物①「花軍香」

◆香三種
梅として 五包に認め内一包試
櫻として 同断
嵐として 一包に認め無試

◆聞き方
試み終わりて本香九包を打ち交ぜ、初めの一炷を花合と名付けて炷き出します。
残り八包を二炷開きにして炷きます。

※「物合(ものあわせ)」の一つ「花合(はなあわせ)」の趣向と思われます。初めの「花合」は折据一つに札一枚を入れて廻し、以後は二炷開きです。

◆記録(梅方、櫻方に分かれます)
|  梅 櫻 梅 梅 櫻
|    櫻 嵐 梅 櫻
札名 梅 櫻 梅 梅 櫻 七
|    櫻 嵐 櫻 梅

◆盤
盤一面、人形十。
梅方:玄宗の人形(唐冠袞竜の装束)に梅の枝。梅花を持つ紫袴の官女四人。
櫻方:楊貴妃の人形(天冠装束)に櫻の枝。櫻花を持つ紅袴の官女四人。

※袞竜(こんりょう)=天子の礼服につける竜の刺繍。袞竜の御衣。

平成8年に名古屋・徳川美術館で「香(かおり)の文化」展が開催されました。
同展図録には東京国立博物館蔵「十組盤」の写真が載っています。下は「花軍香」の盤一式です。
解説には、「玄宗皇帝と楊貴妃の左右に分かれ、各々四人の侍女をしたがえて人形を進める」とあります。