四片

今日から6月。
カレンダーには水無月と書いてありますが、旧暦ではまだ四月の二十五日です…。
でも、植物は惑わされることなく、時季がくればちゃんと花開きます。
普段目につかない所にある地植えの紫陽花がしっかり咲いていました。別名:よひら【四片】

ヒマラヤ杉の松ぼっくり【松毬】を見る機会がありました。
ヒマラヤ杉には「杉」の字がありますが、ヒマラヤ原産のマツ科の常緑高木。
松ぼっくりができるのも頷けます。

外盤物シリーズの8回目は、四十組にも同名の組香がある「龍田香」です。

外盤物⑧【龍田香】

◆香四種
峯として 四包に認め内一包試
谷として 同断
川として 同断
紅葉として 一包に認め無試

◆聞き方
試みを終え、出香十包を打ち交ぜて炷き出します。(十種香と同様)
一炷開きです。

◆記録(当りを記す)
|  峯峯紅谷川川峯川谷谷
札名 峯 紅 川川 川谷  六

◆盤
盤一面、青楓十本、紅葉十本、大紅葉一本
※初めは青楓を立てて進め、六間目から紅葉に差し替えて進める個人戦。

平成8年に名古屋・徳川美術館で「香(かおり)の文化」展が開催されました。
同展図録には東京国立博物館蔵「十組盤」の写真が載っています。下は「龍田香」の盤一式です。
解説には、「楓と紅葉を左右に分けて造花を立てていく」とあります。

※外盤物「龍田香」の記録はとてもシンプルですが、同名の四十組「龍田香」の記録は書き様がややこしそうです…。

龍田といえば直ぐに紅葉が思い浮かびます。
百人一首にも詠まれています。

17 ちはやぶる神代も聞かず竜田川 からくれなゐに水くくるとは (在原業平)

69 嵐吹く三室の山のもみぢ葉は 竜田の川の錦なりけり (能因法師)

ネットで調べると、竜田川は紅葉の名所で「生駒市内から平群町内を流れ、斑鳩町内で大和川に合流する1級河川」とありました。
ネットは便利ですねぇ…。 (^^)