1111・呉越同舟

今回で1111回目の投稿となりました。
2017年4月から始まったブログ「茶香逍遥」は、この4月からナント!8年目に入りました。
投稿のペースは落ちていますが、まぁ、ボチボチと……です。 (^^)

一昨日の5日は二十四節気の「芒種」でした。
「新暦・旧暦カレンダー」には、「麦は麦秋を迎えて刈取りが始まり、稲は田植えを終えて、すくすくと成長し始める。梅の実が黄色く色づき、ほとんどの地方が梅雨に入る。」とあります、確かにその通りです。
先週末、所用で京都へ行った帰りの新幹線車中から見た黄金色に輝く麦秋の光景は、ちょっとした感動ものでした。

ここしばらく、シリーズで外盤物組香の紹介をしていますが、今日は「呉越香」。

『日本国語大辞典』にある「呉越(ごえつ)」の説明です。
「中国、春秋時代(紀元前770年~紀元前403年)の呉の国と越の国。また、呉人と越人。転じて、呉王夫差(ふさ)と越王勾践(こうせん)とがしばしば戦い合ったところから、仲が悪く敵意をいだくことのたとえ。また、遠く隔たっていることのたとえ。」

呉越が関わる熟語として「呉越同舟(ごえつどうしゅう)」はよく知られています。

『日本国語大辞典』によると、
「孫子-九地」の「夫呉人与越人相悪也、当其同舟而済而遇一レ風、其相救也、如左右手」による語として、以下の説明があります。
「仲の悪い者同士、また、敵味方が、同じ場所にい合わせること。また、反目し合いながらも共通の困難や利害に対して協力し合うことのたとえ。」

なるほど、なるほど…。 (^^)

※『広辞苑』には「夫れ呉人と越人と相悪(にく)む也、其の舟を同じくして済(わた)り風に遇うに当りては、其の相救うや、左右の手の如し」とあります。

外盤物十組⑨【呉越香】

◆香四種
一として 四包に認め内一包試
二として 同断
三として 同断
客として 一包に認め無試

◆聞き方
試みを終え、出香十包を打ち交ぜ炷き出します。(十種香と同様)
一炷開きです。

◆記録(呉方、越方に分かれ、当りだけを記す。)
|  二ウ三三一二二一三一
札名 二ウ三 一二二一 一  八

◆盤
盤一面、唐具足馬乗人形十、呉方大将赤馬(上客)、越方大将黒馬(六客目)、他(弓矢・長刀・矛・旗)

平成8年に名古屋・徳川美術館で「香(かおり)の文化」展が開催されました。
同展図録には東京国立博物館蔵「十組盤」の写真が載っています。下は「呉越香」の盤一式です。
解説には、「呉と越の両国の争いにちなんで赤と黒の馬上の武者が左右五騎ずつに分かれ駒を進める」とあります。

季節の花が咲いています。

※下野(しもつけ)

※岡虎尾(おかとらのお)