乞巧奠

先日の23日、ロームシアター京都で開催された冷泉家時雨亭文庫主催の催事「乞巧奠(きっこうてん)」を鑑賞する機会に恵まれました。(お相伴です!)
旧暦の七月七日は今月8月10日でしたが、会場の都合で催事は今日になったとか…。
収容人数約700席のサウスホールは満席で、冷泉家・乞巧奠に対する関心の高さがうかがわれました。

<プログラム>
1.蹴鞠(蹴鞠保存会)
2.雅楽(絲竹會京都支部)
3.披講[兼題:七夕庭]和歌の朗詠
4.流れの座

舞台には畳表?を大々的に敷き、中央奥の板面には「星の座」が設けられていました。
「星の座」は定番の設えで、書籍に載っている通りでした。

※サウスホール入口ゲート脇のディスプレイ写真から

蹴鞠は舞台上四隅に竹(切立)を立てて、鹿皮で作った毬(100~120g)を右足で蹴り上げて次々と渡していくもの。
本来は庭の四隅に式木(桜・柳・楓・松)を植えて行う蹴鞠ですが、狭い舞台では動きに制約が生じるのは致し方ないことでした。
毬は云わば「紙風船」のようなものとの説明がありましたが、確かに下に落ちた鞠は凹んでいましたネ。 (^^)
手でポンポンと叩いて毬を丸くする仕草は、紙風船を思わせるに十分でした。

雅楽は四曲演奏されました。
パンフレットには、琵琶は彦星を、筝は織姫を象徴するとあり、装束の袿(うちき)は乞巧奠に関する文様(梶の葉、天川、鵲)で構成されているとありました。(文様は遠くて見えませんでしたが…)

披講は和歌の朗詠で、あらかじめ出題された兼題について詠まれた七首が朗詠されました。
パンフレットによると、曲には甲と乙の二種類があり、乙の曲のみ高低があるとのこと。

続いて、舞台は「流れの座」へ。
時間の関係で途中で中座しましたが、以前冷泉邸で見学した折には、男女の間に天の川に見立てた白布が敷かれ、牽牛と織女に擬された男女が、扇に載せた詠草を贈答するというものでした。
往時は、翌朝鶏の声を聞くまで歌会を楽しんだそうですから、いやはやなんとも…。

冷泉邸で見学した際には、夕刻からとは言っても暑さは厳しく、演ずる方々は汗だくになられることが想像され、装束の始末が大変と勝手に心配もしましたが、ホールは冷房完備でしたから気持ちよく?演じられたのではないかと思います。
それでも、諸道具の準備と後片付けの大変さを思うと頭が下がります。

「ありがとうございました」感謝・感謝です。 (^^)

唐突ですが、台風10号の進路がとても心配です…。