今日は二十四節気の「春分」。(黄経0度)
天明七年『暦便覧』には「日(ひ)天の中を行て昼夜とうぶんの時なり」とあります。
今日の名古屋の日出は5:56、日入は18:04でした。(ほぼほぼ…)
春のお彼岸の中日でもあり、ご先祖様には牡丹餅をお供えし、手を合わせました。

一昨日18日(火)に京都・銀閣寺で執り行なわれた志野流香道・家元継承式を伝える記事が、昨日の中日新聞朝刊に載っていました。
志野流香道21世・蜂谷一枝軒宗苾家元の誕生となります。


※紙面の段組みを加工

継承式で炷かれた香木は足利義満秘蔵の六十一種名香「賀」(が・よろこび)。
足利義満が五十歳の御賀に炷かれたことからその名があるとか…。
木所は真那賀、味は甘苦辛と『香銘大鑑』にはあります。(『日本国語大辞典』では木所・真南蛮)

家元を継承する五十歳の節目に義満御賀にあやかって?ゆかりの六十一種名香・賀(よろこび)が炷かれたのでしょうか…。

六十一種名香「賀」は、平成21年(2009)に松隠軒で催された「平成の名香合(めいこうあわせ)」でも、徳川美術館長・徳川義崇氏が持参し炷かれた折の映像の記憶があります。

※NHKBS「平成の名香合」より

流祖・志野宗信に始まる500年余りの時を、宗家代々が絶やすことなく繋いできたことには、ただただ深く頭を垂れ敬意を表するばかりです。※志野宗信(1443~1523)

外組19番【替千種香】

香三種
一として 三包に認内一包試
二として 四包に認同断
ウとして 一包に認無試

右、試香二種終りて出香六包打ち交ぜ炷き出すべし。試みに合せ札打つべし。又、此の組香は春秋によりて組み方替るなり。前の式は秋の組み方なり。春は左のごとし。

一として 一包に認無試
二として 四包に認内一包試
ウとして 三包に認同断

右のごとくに組むべし。一と客と入れ替わるなり。記録の奥に歌一首書くべし。其の季の歌なり。但し、春夏は春の部にて、秋冬は秋の部にすべし。無試の香を聞き当る人の聞きの下に名目あり。春ならば山桜と書き、秋ならば白露と書くべし。ほうびなり。歌左のごとし。

春のうた
見わたせは色のちくさにうつろひて 霞をそむる山さくらかな

秋のうた
みたれふす野辺のちくさの花の上に いろさやかなる秋のしらつゆ

右の歌一首二行に書くべし。尚、記の面にて可考。左のごとし。秋にて認む。

(記録例 略)

きろく是に順ずべし。