百花為誰開

雨の中、名城市民茶会に出かけました。
先週の日曜6日に行く予定でしたが、生憎の雨模様で今日に延期していた名城市民茶会。
結局、両日ともに雨となりましたが、今日の方が雨脚はしっかり?していて、傘を差していても裾が濡れるほど…。
入場券付きの茶券を無駄にするのもしのびなく、覚悟を決めて出かけた次第です。

三席設けられていましたが、入ったのは広間席で、席主さんは裏千家・庄司宗文氏。
本席床に掛けられていたのは大宗匠の「百花為誰開(ひゃっかたがためにひらく)」。
百花は誰がために開くと問われても…。
花々は時季が来れば無心に開きそして散るという自然の妙、頭の中では理解しているつもりですが…。

名古屋城の桜も雨の中、葉桜の時季を迎えていました。

外組22番【松虫香】

香四種
一として 三包に認無試
二として 二包に認内一包試
三として 右同断
客として 一包に認無試

右、二三の香試み終りて出香六包打ち交ぜ炷き出すべし。六種の内にて二三の香は何種目と何種目とに交り出たると聞くは名乗紙に書き付け出す。尤も残らず聞き終りてなり。皆当りには歌を一首書く。二ばかりの当りは上の句を書くべし。三ばかりの当りには下の句を書くべし。全の人には点数の処に松虫と書くべし。其の外は点数を書くなり。二三の香を試みする事は歌のうちに松虫の文字あるゆへ也。其の外よくよく考ふべし。

一説に、古今物の名の歌を趣向に取り、組みたる事ならば、一二三四五として、一四五を三包づつに認め内一包づつ試みとす。二三の香二包づつに認め試みなし。以上十包を打ち交ぜ炷き出すべし。此の如くしては歌の隠し題の意然るべし。又二三は四包にて松虫の儀も済むなり。然れども上々の御組なれば本聞きは先に出し、其の意をしらしむ。今又、面かけをかりて此の聞き方を加ふ。此の式を用いる時は、一の香二炷聞き得たる人は、聞きの中段にたきつ瀬と書き、二の香同断なれば中に玉つむと書き、三の香同断なればしらなみはと書き、四の香同断なればなかる々水をと書き、五の香同断なれば緒にそぬきけると書く。二種通れば二句書くべし。三種なれば三句書く也。全の人には歌一首書くべし。記録、香銘を歌の句にて書くも有れども見合いにすべし。歌左のごとし。

松虫のうた
たきつ瀬の中に玉つむしら波は なかるゝ水を緒にそぬきける

(記録例 略)

きろく是に順ずべし。

[メモ]
『拾遺和歌集』巻七 物名 369
松むし (忠岑)
たぎつ瀬の中にたまつむしら波は 流るる水を緒にぞぬきける
|     (たまつむしら波)