重陽

朝夕の空気と流れる風にほっと一息、ようやく秋の気配をかすかに感じられるようになりました。
とは言え、今日も日中は35℃超えの猛暑日で、この先もしばらく30℃超の真夏日の予報となっています。
イメージに背かない秋はいつ来るのでしょうか?

一昨日は(から)二十四節気の「白露」。
しかし、最低気温も25℃超えの熱帯夜が続く現状では、朝方に白露を結ぶとは露ほども思えません。
昨日8日の未明は皆既月食でした。
今回は残念ながら夢の中、来年3月3日夜の皆既月食を待ちたい(鬼も笑ってる!?)と思います。

今日9月9日は、新暦での五節供の一つ重陽の節供(菊の節供)です。
元は旧暦の九月九日の行事ですが、明治五年の新暦(グレゴリオ暦)への改暦によって、日付がそのままスライドして現在に至っている節供です。
今年の旧暦九月九日は、閏六月があったことから少し遅くて10月29日となっています。
ともあれ、今日は盃に酒「菊水」を入れて、菊の節供を祝うことにしました。

「重陽」に関しては、『季節を愉しむ366日』(朝日新聞出版)の記述が秀逸で、以下に引用します。
●「奇数は縁起のいい「陽」の数。中でも、もっとも大きい陽数の九が重なる九月九日は「重陽」と呼ばれ、おめでたい日とされました。
平安時代に中国から伝わり、宮中行事として、邪気払いと不老長寿の象徴である菊の花を用いた宴が催されるように。菊の花を浸した「菊酒」を飲んだり、菊の優劣を歌をつけて競う「菊合わせ」をしたり。菊に被せた綿で体を拭く「被せ綿(きせわた)」や「菊湯」「菊枕」などの習わしもありました。
江戸時代には五節句の一つになり、庶民にも広まりました。秋の収穫時期とも重なるため、栗ご飯を食べてお祝いしたことから「栗の節句」と呼ばれることもあります。」●

外組46番【贈答香】

香数不定

先ず兼日に木の手本を出し、各香一種づつ持参すべし。香数人数次第なり。一種づつといえども、少人数のときは二種にても三種にても時宜によるべし。其の時、亭主は客の香を受け取り、勝手にて常の香包に包み替え、一二三四五と包の角に書く。一切れづつ試みに出すべし。各試み終りて出香打ち交ぜ炷き出す。試みに合せ名乗紙に書き付け出す。自分の香は当らずとも苦しからず。人の香を聞き当てるを専ら要とすべし。郭公香に似たれども人の香を専ら聞くという事違ふなり。又、郭公香は一種聞きなり。この組香は一座の香残らず聞くなり。人数多きほど聞き分けがたきものなり。又、一二三のしるしは各持参の香の銘を其のまま書き付けるもよし。尚、記の面にて考ふべし。左のごとし。

(記録例 略)

きろく是に准ずべし。