「暑暑」?
今日は(から)二十四節気の「処暑」。(黄経150度)
天明七年の『暦便覧』には、「陽気とどまりて初めてしりぞきやまんとすればなり」とあります。
処暑は暑さが止む、暑さが落ち着く意のようですが、このところの猛暑は収まる気配がなく、しばらく続くとの予報が出ています。
日中は猛暑で勿論のこと、夜間も熱帯夜が続く日々で、ひたすらエアコンに感謝感謝の毎日です。
今日も空を見上げながら「もういい加減に勘弁してくれ!」と願うことしきりです。
大阪歴史博物館で開催中の特別展「正倉院 THE SHOW」は明日24日までで、会場は東京・上野の森美術館へと移ります。
「2回行きました!」という強者もいるほどで、特別展は大人気だったようです。
特に興味があったのは、高砂香料工業が蘭奢待の微量片から成分を分析し合成したという香木・蘭奢待(黄熟香・東大寺)の香り。
7月上旬に訪れてから随分と時間が経過していますが、今でも「なんだか良い香り!」だったという感覚は残っています。
後日目にした前正倉院事務所長・西川明彦著『正倉院のしごと』(中公新書)には、正倉院宝物の来歴・保存・修理・公開に関する諸々について丁寧な記述があり、とても勉強になり認識が新たになりました。
お蔭で?今秋開催の「正倉院展」に展示される「黄熟香」等の宝物は、今回の特別展でもう十分?満足したような気分になっています。
前回、蘭奢待を見たのは、令和元年(2019)に即位記念として東博で開催された「正倉院の世界」展でした。
何かと話題になる蘭奢待は、近いところでは2023年にNHK「歴史探偵~蘭奢待~」でも取り上げられています。
ところで、名古屋・徳川美術館には蘭奢待の銘と東大寺の銘を持つ香木があり、平成8年(1996)の「香の文化」展で一部が展示されています。
資料によると、同館には蘭奢待の銘の香木が6品目、東大寺の銘を持つ香木は4品目あるようです。
下の銘・蘭奢待の一品は、宝暦四年(1754)に志野流十一世・蜂谷勝次郎から尾張徳川家に献上されたもので重量0.4gの一片。
※図録「香の文化」より
下の銘・東大寺の一品は、重量34.1gの大きな一木。
※図録「香の文化」より
いつの日か、今回の「正倉院 THE SHOW」で展示された「蘭奢待の香り」が、香りをブレンドした高砂香料工業から何らかの形で世に出てくれることを願っています。
でも、無理かなぁ…。 (^^)
と、ここまで記して、「正倉院 THE SHOW」の「X」を見てみたところ、新たなグッズが紹介されていました。
一つは、蘭奢待の形を模した「蘭奢待クッション」(5170円)。
買う人がいるんだ~。
もう一つは、予告としての東京会場限定グッズ「蘭奢待香りカード」(880円)。
財布や名刺入れの中など、外気に触れにくい環境で、約2か月程度あの「蘭奢待の香り」が持続するようです。
大阪会場でも販売してほしかったですぅ~。 (^^)
何とかして「蘭奢待香りカード」をゲットしたいと思っています。
※東京会場:上野の森美術館(9/20~11/9)
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外組43番【続古今香】
香五種
花 として 二包に認め内一包試
紅葉 として 右同断
浅香山として 右同断
混本歌として 右同断
旋頭歌として 二包に認め無試右、試み香四種終りて出香六包打ち交ぜ炷き出すべし。二種(炷)開きに先に札をよみ、後本香をしるし、当り見合はせ点すべし。二種(炷)にて一名に書くなり。左のごとし。
花、紅葉と聞くは 錦 の札
紅葉、花と聞くは 遠方 の札
花、浅香山 は 雲井 の札
紅葉、浅香山 は 紅 の札
浅香山、花 は 雲 の札
浅香山、紅葉 は 夏衣 の札
浅香山、旋頭歌は 外山 の札
旋頭歌、浅香山は 乙女 の札
旋頭歌、花 は 吉野川の札
旋頭歌、紅葉 は 立田川の札
紅葉、旋頭歌 は 立田山の札
花、旋頭歌 は 吉野山の札
前後にても
花、混本歌 は 歌枕 の札
前後にても
紅葉、混本歌 は 紅葉山の札
前後にても
浅香山、混本歌は 浅香山の札
前後にても
混本歌、旋頭歌は 歌 の札
旋頭歌、旋頭歌は 旋頭歌の札尚、記録の面にて考ふべし。今は記紙にて後開きにすべし。名目は記録にて直し認むべし。名目合ひても当たらざる事あり。たとえば紅葉、混本歌の所を混本歌、紅葉と聞くは同じ名目なれども違へ有り。能々(よくよく)工夫あるべし。尤も片当りは取らざるなり。記録左のごとし。
(記録例 略)
きろく是に准ずべし。