亥の子餅
今日は旧暦十月(亥の月)の最初の亥の日。
亥の月・亥の日と云えば亥の子餅は欠かすことができません。
先日、名古屋の菓子舗に「26日は亥の日ですが亥の子餅は販売されますか?」とお尋ねしたところ、「26日の販売はありません。亥の日は2日でした。15日で亥の子餅の販売は終了しました。」とのこと。
「えっ? 2日が亥の日?」
電話を終えて新暦・旧暦カレンダーをみると2日(日)は確かに亥の日でした。
でも、2日は旧暦ではまだ九月(戌の月)で亥の月(旧暦十月)ではありません。
そういえば、2日(日)の名城市民茶会の野点席で供されたのは亥の子餅でした。
当日立ち寄ったデパ地下の菓子舗にも亥の子餅は並んでいましたが、その時はてっきり今日の亥の日まではあるものと思っていました。
なんと、なんと!です。
2,3軒電話で確かめたところ、26日限定販売のお店や月末まで販売しているお店など、亥の子餅の命もいろいろでした。
※「亥の子餅」(花桔梗)
旧暦十月(亥の月)の亥の日(そして亥の刻)に、無病息災を願って、また猪は多産であることから子孫繁栄を願って、亥の子餅を食する習いは平安の昔からあったようです。
『源氏物語』葵の巻にも亥の子餅は登場しています。
志野流香道の組香には「源氏三習香」があり、香種の一つに「亥の子餅」ならぬ「子(ね)のこの餅」が出てきます。
葵の巻、源氏三習香、子のこの餅等については、以前ブログで記した覚えがあります。
また、亥の月・亥の日は旧炉開きの日。
尤も、現在では立冬を目安に炉開きをするところが多いようです。
京都の旧家では、炬燵やストーブは亥の月・亥の日から使い始めるところもあると聞いたことがあります。
炭火の炉や暖房器具を使用するこの時期、最も注意することは火の始末。
火伏・防火のおまじないとして有名な京都・愛宕神社の祀符「火廼要慎」は我が家でも一番の守り札です。 (^^)
今年は旧暦六月の後に閏六月があった関係で亥の月(旧暦十月)、亥の日が随分と遅くなりました。
ここ十年の旧暦十月(亥月)一日と最初の亥の日は次の通りです。(「こよみのページ」のデータに感謝です!)
| 旧暦十月一日 亥の日
2025年 11/20(巳) 11/26
2024年 11/01(巳) 11/07
2023年 11/13(亥) 11/13
2022年 10/25(亥) 10/25
2021年 11/05(巳) 11/11
2020年 11/15(戌) 11/16
2019年 10/28(戌) 10/29
2018年 11/08(辰) 11/15
2017年 11/18(酉) 11/20
2016年 10/31(戌) 11/01
2000年以降の四半世紀でみても、今年の亥の月・亥の日は過去二番目の遅さです。
因みに最速は2022年の10/25でしたから、ほぼほぼ一ヵ月もの開きがあります。
だから何なの?と云われそうですが、日々の生活には関係のないデータ遊びかといったところです。
※ヒイラギ【柊】の花
透き通った清らかな香りはお気に入りの一つです。 (^^)
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外組58番【貢香】
香四種
山として 三包に認め内一包試
里として 右同断
海として 右同断
人として 二包に認め無試右、試香終りて本香八包打ち交ぜ炷き出す。二炷づつにて名目一づつ記すなり。尤も二炷開きなり。当りばかりをしるし、当らざるは書かず。名目左のごとし。
山人は東雲 山里は嵐
山海は朝日 里人は詠
里山は花園 里海は真砂
海人は舟 海山は夕日
海里は漁火 人山は炭竈
人里は常盤 人海は塩竈
山々は霞 里々は市
海々は浪 人々は寿右の名目にて書くべし。なお記録の面にて考ふべし。左のごとし。
(記録例 略)
きろく是に順ずべし。