コウヤボウキ
コウヤボウキ(高野帚)が例年通り、可憐な花を咲かせています。
高野山では、これを束ねて箒を作ったことから、この名があるようです。
10月が終って明日から11月と聞くと、カレンダーを1枚めくるだけなのに、冬の訪れが近いことを感じ身が引き締まる思いがします。
7日は立冬、15日は旧暦亥の日で亥の子餅を食する日、そして旧炉開きの日でもあります。
尤も、最近は11月が近くなると炉を開くこともあるようですが、概ね11月そして立冬を一つの目安にしているとか…。
亥の子餅は販売日がまちまちのようで、某老舗に先日お尋ねしたところでは11月2,3日でしたが、昨年は確か下旬まで販売しているお店もあったように記憶しています。
11月の定番のお菓子と云えば、矢張り「亥の子餅」を外すことはできません。
亥の子餅、そしてその昔、亥の子餅を包んで下賜したといわれる「玄猪(げんちょ)包」については、また後日にしたいと思います。
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立冬まで一週間、それまでは晩秋ということで駆け込みの「擣衣(とうい)香」です。
秋の夜長、何処からともなく砧(きぬた)の音が聞こえてきます、と云うのは昔々の話。
布をしなやかにし、つやを出すために砧にのせて槌で打つことを「擣衣(とうい)」というそうです。
そんな晩秋の情景を題材にした組香に「擣衣香」(大外組)があります。
◆香は六種
秋風として 二包で内一包試
秋月として 同断
夜寒として 同断
山里として 同断
村里として 同断
砧 として 一包で無試
◆聞き方
試みを終えて、出香六包を打ち交ぜて炷き出します。
◆記録紙
砧の香を何番目に聞いたかによって、銘々の聞きの下に名目を書きます。
一番目に出たと思えば 隣家砧
二番目に出たと思えば 前村砧
三番目に出たと思えば 宵砧
四番目に出たと思えば 小夜砧
五番目に出たと思えば 暁砧
六番目に出たと思えば 遠砧
全当りの人には点数の所に擣衣と書きます。
また、砧の香当りの人には寝覚、当らざる人には夢と名目の下に書きます。
なお、出香の下には歌が書かれます。(勅撰和歌集323)
から衣打つこえきけば月きよみまだ寝ぬ人を空にしるかな 貫之
◆メモ
個人的には、碪=砧(きぬた)と云えば矢張り「寝覚香」でしょうか…。