唐国鳥

配達されてきた「茶道具ニュース」を眺めていて「ん…?」と目が留まったのは羽箒の三つ羽根(唐国鳥)。
「唐国鳥…?」
「唐国鳥…? 何だったっけ?」

(からくにどり)で辞書を引いても出てきません。
こんな時、ネットは便利!一発で出てきました。
読みは(カラクンちょう)、七面鳥の異名とあります。
あのクリスマス料理に用いられる家禽の七面鳥、ターキーです。

改めて(からくんちょう)で辞書を引くと、(カラクン鳥)としてちゃんとありました。
オランダ語のKalkoen《カルクン》が語源で、カルクン→カラクン→漢字で唐国をあてたことが分かります。

一件落着です。唐国鳥=カラクンちょう
七面鳥というよりも響きが断然いいし、なんだか唐物・到来物のようにも聞こえ、洒落た当て字となっています。
尤も、ことさら高尚なものに仕立てようとする作為が感じられなくもありませんが…。(^O^)

※『広辞苑』より七面鳥。

羽根は品種によって異なるものの青銅色や白色のものが多いそうです。

志野流香道の先代家元・蜂谷幽求斎宗由宗匠(1902~1988)が月刊誌に寄稿されていたという「香道の心得」です。

香道の心得 ◆霜月◆ (1)

一方に日が映しながら、一方に雨の降るという時雨の景色は京都あたりではよく経験することであり、紅葉美しい嵐山の時雨の様は殊のほか賞美されている。それもやがて、もみぢ葉が散り、木葉が降り出すと冬が訪れたのであろう、何となくものわびしさを感じずにはいられない。だが人は一瞬降る時雨や舞う落葉、吹く嵐の音に季を語り、歌を詠み、それを一幅の絵巻に収め、自然の風物に心を寄せてきた。

「一幅の絵巻」とは…。
目の前に景色が浮かびあがってきます。

いよいよ紅葉の季節です。
紅葉の名所「永観堂」ではライトアップが明日から始まると夕刊記事にありました。
でも、京都の名所はどこへ行っても人、人、人…ですね。