桜・桜
うららかな春の日。
昨日は京都・冷泉邸の春の見学会があり、お花見も兼ねて行ってきました。
今回、展示されていたのは「ひな飾り」。
お花見の季節なのに雛祭り…?
冷泉家では旧暦の日付で節供を祝う慣わしで、旧暦三月三日の上巳の節供(桃の節供)は、今年は明後日4月7日。
「ひな飾り」もまだ十分時節に相応しい行事となっています。
冷泉家の「ひな飾り」は、男雛・女雛を一組とした内裏雛。(五人囃子や三人官女はありません)
歴代の内裏雛が段上にずらりと並んでいる姿は圧巻でした。
下図は、平成十年前後に催された巡回展「冷泉家の至宝展」図録に載っているひな飾り(部分)です。
最後に、当主夫人の楽しいお話を聞きながら、冷泉家の安寧を心から祈った次第です。
冷泉邸の桜も満開でした。(写真は塀越しに外から写したもの)
冷泉邸の見学を終えてから、京都御苑内・近衛邸跡の枝垂れ桜(糸桜)などを見て回りました。
通年公開されている京都御所も見学しましたが、外国人の多いことに少々びっくり。
広大な御所の敷地内を順路に沿って久しぶりにゆっくり見学しました。
組香「禁裏香」には清涼殿の名がでてきますが、前庭の「河竹」と「呉竹」、そして武士の詰め所「滝口所」を意識して見学できたことはちょっとした収穫でした。
詩歌をちこち 【五月香】
|『古今和歌集』巻第三 夏歌 139
| よみ人しらず
さつきまつ花橘のかをかげば 昔の人の袖のかぞする〔大意〕夏の五月を待って咲く花橘の香りをかぐと、もと知っていた人の袖の香りがする思いだ。
*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)