香道一口メモ・14/冷泉邸見学会
今日は京都・冷泉邸の見学会に行ってきました。
時雨亭文庫が主催する形で、春と秋の年二回催されている公家住宅内部の見学会で、最後はお茶とお菓子(塩芳軒の「菊の風」)をいただきながら当主夫人・冷泉貴実子氏の楽しいお話を拝聴するというものでした。
床に掛っていたのは、中秋の名月(芋名月)が来週であることを踏まえて、芋科の植物と月が描かれた絵に定家様書体の歌が書かれたお軸でした。
歌の中にはっきりと「桂男」という文字が読み取れました。
月にあるという「月宮殿」、そこには桂の大木があり、また月には「桂男」が住んでいるという伝説があり、桂男は美男の代名詞にもなっているとか…。
今回の展示品は、文箱の数々。
当主のみが使用する雪笹紋入の文箱、冷泉家が使用するカタバミ紋の文箱、などなど十数点展示されていました。
残念ながら、写真はネット上に載せることができません。
今年は当たり年で、春の見学会、夏の乞巧奠、秋の見学会と三つも見学することができました。
特に、8月28日(旧暦七月七日)の乞巧奠を見学できたことは、今年の十大マイニュースのトップになること間違いありません。
でも、これでもう今年の運は使い果たしてしまったのかもしれません…。
京都御所の北に位置する冷泉家の門屋根の上には、ちゃんと北の守り神「玄武」が鎮座していました。
香道一口メモ・14【檀香①】
本草に檀は亶(たん・せん)で善を意味し善木であると。で、中国では芳香を伴う木材に檀を付ける。幼少の時からすでにひいでていることをたとえた「栴檀(せんだん)は二葉よりかんばし」のことわざにある栴檀は、梵(ぼん)語の「チャンダナ」の音訳で「白檀(びゃくだん)」のこと。古くから香料として珍重したとみえ、仏典にその字が多い。
「栴檀は二葉よりかんばし」=白檀は発芽のころから早くも香気を放つように、英才・俊才など大成する人は幼時から人並みはずれてすぐれたところがあることのたとえ。(『日本国語大辞典』より)