香道一口メモ・19/中秋の名月

中秋の名月です。

*21時広島空港/NHKTVより

合わせて、少しだけお飾りをしました。(団子の代わりにお菓子です)

十五夜飾り

十五夜と聞くと三五夜(3×5=15)、そして「新月香」を思い出します。
新月には、陰暦の朔月という意味もありますが、ここでは十五夜に東の空に上った月のことです。

香は三種で、楽天、阮槙(げんしん)、月とするものですが、聞き方等は別の機会にします。

三五夜中新月色
二千里外故人心

三五夜中の新月の色 二千里の外の故人の心 (白)[和漢朗詠集242]

[現代語訳]川口久雄『和漢朗詠集』(講談社学術文庫)
今夜は十五夜、みやこ長安の地平に、いまおおきな満月が姿をあらわしたところです。二千里のかなたにあるわが親友も、この同じ月をながめていることだろうが、いったいどんな気持でいるのでしょうか。
[語釈]三五夜中=十五夜の夜中。/二千里=長安から遠く離れた江陵の地をいう。阮槙がここに赴任していた。/故人=旧友、むかし友だち。白楽天の親友阮槙。

香道一口メモ・19【香木の渡来】

香木はおもに仏教の儀礼用品、薬物として世に普及したから、六世紀の中ごろには仏教の伝来に随伴し、あるいは医士が携え朝鮮経由で日本に流入していたと思われるが、記録上は日本書紀の推古天皇三年(五九五年)夏四月「沈水、淡路島に漂着れり。その大きさ一囲(ひといだき)。嶋人、沈水といふことを知らずして……」が渡来の最初である。

◎日本書紀 巻二十二 推古天皇

三年夏四月 沈水漂着於淡路嶋 其大一圍 嶋人不知沈水 以交薪焼於竃 其烟気遠薫 則異以獻

◎太田清史著『香と茶の湯』(淡交社)では、以下のように記されています。