曜変天目茶碗・龍光院蔵を見る!

大徳寺・龍光院所蔵の曜変天目茶碗が「国宝展」Ⅱ期(17~29日)に出ていることを知り、このチャンスを逃したら二度とお目にはかかれないと思い、京都国立博物館へ出かけました。
お天気に恵まれ、汗ばむほどの陽気の中、博物館にはたくさんの人が訪れていました。

11時前に到着して館内にはスムーズに入れたものの、展示室へは入場制限がかかっていて、ロビーに並んで20分ほど待つ形になりましたが、苦になるほどではありませんでした。
事前に電話で尋ねたところ、開館時(9:30)はどうしても混むので、お昼ぐらいの入館が狙い目ですとは聞いていたのですが…。

一番のお目当ては、1F展示室の龍光院所蔵の国宝・曜変天目茶碗。
結局、二度並んでガラス越しではありますが間近に眺めることができました。間違いなく見おさめです!

印象としては、静嘉堂文庫所蔵の茶碗や藤田美術館所蔵の茶碗とは随分異なっていて、内側の口縁から底までの間の曜変というか青みがかった星紋が、まるで人為的に点々と絵を書いたように美しくリズミカルに並んでいたのに目を奪われました。
茶碗の底に近いところの銀色に輝く星紋も、また実に見事でした。

天は曜変の造形を、窯の炎の中で、ここまで美しく作りたもうものなのかと感嘆した次第です。
実物を初めて見て、天下一の称号にふさわしい茶碗であることを再認識しました。

これの絵ハガキでもあれば、と思ったのですが絵ハガキは無く、「国宝展」図録には載っていたのですが三千円も払う元気はなく、茶碗の造形を目と脳裏にしっかり焼き付けて置くことにしました。(図録は買っても、案外見ないことが多いので…)
上の写真は、昭和47年11月に名古屋・名鉄百貨店で催された「茶の湯名宝展」図録に載っている龍光院所蔵の曜変天目茶碗です。

国宝展ですから、1~3Fの展示物まるごと国宝です。
個人的には、法隆寺の「沈香木画箱」や同「四騎獅子狩文様錦」なども、強く印象に残りました。
例の俵屋宗達筆「風神雷神図屏風」もこの期間に展示されていました。

徳川美術館からは、例の千代姫所用の婚礼調度類が展示されていて、文台、硯箱、古今香札、宇治香札なども鎮座していました。

国宝展は10月3日から11月26日まで、期間をⅣ期に分けて、展示物を入れ替えながら、しかも期ごとに超「目玉」を設けながら催されます。
全188点全てを見るためには、期ごとに四回も足を運ばなければなりませんが、私的にはⅡ期だけで十分といった感じです。

京都へ行ったついでに、五条堀川の桐箱製品を扱っている「箱藤(はことう)」へ立ち寄り、記念に可愛い「たまごばこ」を買い求めました。
今、人気の商品だそうです。

【追記】明後日29日(日)夜8時から、NHKEテレで日曜美術館「国宝を楽しむ」が再放送されるようです。

香道一口メモ・39【名香合わせ】

名香を二種一組にしてたき、香銘と香気などから互いの長所を衆議により判定する鑑賞の方式。その判詞は美麗な文体で記された。焚香(ふんこう)の香技の方法や香炉、香火ばし、香包みなどの道具ができたが、とくに香木を直接に火の上におかずへだて火をすることが工夫された。金銀の薄片を用いたことは本来の香りをかもし出すのに重要なこと。

※「名香合わせ」と聞くと、平成21年にNHKTVで放送された志野流家元・松隠軒での「平成の名香合」を思い出します。

※今でこそ、銀葉は「雲母」に錫縁を施したものが一般に使われていますが、昔は金・銀の薄片を用いていたのですね…。