佐川美術館・樂吉左衛門館
『茶道雑誌』12月号の「露地をたずねて」は、滋賀県守山市の「佐川美術館・樂吉左衛門館」の茶室へと続く露地でした。
以前、建物が一般公開されてから見学したことがありますが、従来の露地・茶室の固定観念を物の見事に打ち破る造りになっていました。
ぽっかり空いた天空から水が外壁沿いに滴り落ちる地下通路の飛び露地、コンクリ壁の茶室「盤陀庵(ばんだあん)」、水面に浮かぶかのような広間「俯仰軒(ふぎょうけん)」。
全てが斬新でした。
特に、茶室は樂吉左衛門氏の焼貫茶碗・茶入を置き合わせた時にしっくり調和する造りになっているかのようでした。
写真の「俯仰軒」は、目線が水面と繋がり、琵琶湖の葦の揺らぎと共に、水・光・風と一体になるような開放的な造りになっていて、個人的には惹かれるものがあり、しばらく坐していた記憶があります。
※『茶道雑誌』より
話題になったあの金彩の焼貫茶碗には驚かれる方も多いようですが、私的には違和感はなく、あの茶碗で一度お茶をいただけるような機会はないものだろうかと思っています。(間違いなくノーチャンスです!)
香道一口メモ・84【香図本】
三種、系図、源氏香など答えを系図のつりの姿で表す組香には図に対する名称がある。三種香なら五つの図に緑樹の林、尾花の露、隣家の梅、孤峰の雪、琴の音といった四季名。系図香の十五図には伊勢物語の中から、また源氏香は五十二図で源氏物語の巻名をつけ、それぞれの図の名称にふさわしい絵を描いた折本がある。これを何々香の香図本という。
※源氏香の図(鳩居堂カタログより)
※系図香の図