五辛(ごしん)=五葷(ごくん)

昨日のblogに、如庵茶会で薄茶席・床脇に飾られた十種香箱を載せました。(カラー写真ではなかったのが残念)

国宝に指定されている茶室は三つあり、如庵の他に待庵と密庵席があります。

妙喜庵の「待庵(たいあん)」(二畳隅炉) …京都府・大山崎町
龍光院の「密庵(みったん)」(四畳半台目)…京都市・大徳寺
有楽苑の「如庵(じょあん)」(二畳半台目)…愛知県・犬山市

※如庵・平面図(『原色茶道大辞典』より)

拝観謝絶の龍光院「密庵」は見学不可能ですが、「待庵」と「如庵」はそれぞれ予約日・指定日に見学可能のようです。

香道一口メモ・87【聞香会①】

あいさつ、礼儀作法などは他の習い事に準じ行えばよいが、特に香室ではにおいの強い革類や香水などを身につけること、聞香の前に五辛や酒類を口にすること、夏季でも扇を使用することなどを香木の香りに対する心遣いからかたくいさめている。ちなみに江戸時代には帯刀、掛香すること、におい袋を懐中すること、汗をぬぐうことも禁じていた。

※五辛=五葷について、日本国語大辞典には以下の説明があります。

五辛…「仏語。辛味や臭みのある野菜。忍辱(にんにく)、葱(ねぎ)、韮(にら)、浅葱(あさつき)、辣韮(らっきょう)などの五種をいう。仏教では、色欲や怒りの心などが刺激され助長されるとして、僧尼がこれらを食べることを禁じた。五葷(ごくん)。」

また、五葷で引くと、からくて臭気のある五種の野菜。仏教では、忍辱(にんにく)、野蒜(のびる)、韮(にら)、葱(ねぎ)、辣韮(らっきょう)などの五つをいう、とあります。

まさに、「葷酒山門に入るを許さず」ですが、時代が変化した現在ではどうなのでしょうか。

個人的には、葱、浅葱、そして辣韮漬けは好物なのですが…。

『志野流香道目録』には「香席初心十五条法度之事」があるようですが、十五条の戒めについては太田清史『香と茶の湯』(淡交社)に詳しく、また解りやすく記されています。