和菓子文化が生んだ言葉
NHKネットラジオ・らじるらじるの聞き逃し番組の中に、「私の日本語辞典-和菓子文化が生んだ言葉-」全五回が収録されていました。
語り手は、全国和菓子協会専務理事の藪光生氏で、和菓子に関する著書も多数出版されている方です。
ひと通り聞きましたが、和菓子に関するうんちくが山もりといった感じでした。(尤も、特定のお店の菓子銘は出てきませんが…)
お菓子の歴史、お菓子の原料・種類・作り方、お菓子名の由来、果てはお菓子と諺まで、お話の材料はいろいろでした。
話を聞いていて、「そういえば…」と思い出したのが栗饅頭。
今でこそ、栗饅頭には栗の粒が入っているのが普通ですが、昔は表面は栗の形をした焼き皮で、中身は白あんでしたという件。
「栗が入っていないのに、栗饅頭とは何事?」との苦情に対しては、「たぬきそばにたぬきは入っていません。きつねそばにきつねは入っていません。」と返しますとの話(笑)には、思わず笑ってしまいました。
諺では「たなから牡丹餅」に代表されるように、生活の中に和菓子が本当に密着していたのですねぇ…。
ところで、全国和菓子協会ですが、ネットで検索してみますと、顧問等の役員に京都の有名老舗菓子舗の名は見当たらず、勿論幾つかのお店は加盟していますが、京都はこれからといった感じでしょうか。
京都には、老舗が加盟する京菓子共同組合、他に京都菓匠会などなどの強力な団体がありますから…。
和菓子は「五感の芸術」と良く云われます。
和菓子は、姿や色合いを見て、銘を聞いて、触れて、味を楽しむわけですが、菓子銘の奥を連想したり、時には香りを伴う場合もあったりで、色々な楽しみ方があるように思います。
香道一口メモ・106【七夕の香②】
室町時代には歌を詠じて梶(かじ)の木に結び付け、毛筆具を置き、梶の葉に物を供えた。江戸時代には五節句の一つに定められ、武家では五色の糸巻きを並べ、左右の竹に張ったなわに小袖(こそで)を掛け、詠じ記したタンザクを結ぶ風習が起きた。これは裁縫や書道の上達を願ったもの。この七夕の行事と聞香の世界を一場面にしたのが七夕香。
※「七夕香」では聞香の他にいろいろな飾り物をする場合があり、ビジュアル的にも楽しい組香となっているようです。