熱田神宮月次茶会
今年初めての熱田神宮月次茶会に出かけました。
好天に恵まれ、多くの参詣者で参道は賑わっていましたが、お茶席も大賑わいで三席待ちの盛況でした。
今日の席主は、濃茶席(蓬庵)が吉田生風庵、薄茶席(千秋閣)が古川古美術の古川祐司氏でした。
表千家・吉田生風庵で出されたお菓子は、きよめ餅製の薯蕷饅頭で中の餡は緑色のもの。
表千家の初釜で用いられるのは、虎屋の薯蕷饅頭「常盤饅頭」とのことで、今日のお席は家元に倣ってのこととか…。
常盤(ときわ)とは、常に葉が翠色で色を変えない松の如く、変わらぬことを意味する言葉です。
本家本元の虎屋の「常盤饅」は、白い薯蕷の皮で緑色の餡を包んだお菓子となっています。
初釜の定番は、表千家では虎屋の「常盤饅頭」、裏千家では川端道喜の「花びら餅」といったところでしょうか。
濃茶席では、ちゃんとお点前をされた上で濃茶が出されたのには、流石は吉田生風庵と感服しました。
本道を外さず、原則を大切にされている「道」の在り方に、背筋をただされる思いがしました。
薄茶席の席主さんは遠州流でしたが、美術商ならではの取り合わせを楽しませていただきました。
床の古銅に入っていたのは、古木に牡丹。
蕾の先端が程良く赤くなっているもので、ため息が出るほど美しい姿でした。(^O^)
香道一口メモ・111【比翼連理】
聞香の世界に引用し香組されている。この契りを結び、香銘にもある玄宗と楊貴妃の間には香に関する逸話が多い。「長恨歌」に詠じている華清の温泉には香木が積み上げられていた。玄宗は改葬の際、亡き貴妃の胸にあったにおい袋に類する香嚢(こうのう)を懐にしたし、果たし得なかったが貴妃の魂を呼び戻そうと「反魂(はんごん)香」をたいた。
※「玄宗と楊貴妃」については、昨年の6月11日の記事にありますのでご一読下さい。
※香木「玄宗」(26.3g)と「楊貴妃」(10.3g)は共に伽羅で、徳川美術館の蔵帳では両方とも六十一種名香になっています。
※図録「香の文化」より
※反魂香は「焚けば死者の姿を煙の中に現すという香」(広辞苑)のことですが、うんちくはまた後日に…。