迦陵頻・真清田神社・小蝶香①
尾張一宮の真清田神社で行われた舞楽神事を見に行きました。
久しぶりにJR尾張一宮駅で降りて、商店街のアーケード(夏は七夕飾りで有名)を通り抜け、楠の大木の森に守られた神社に向かい、先ずはお参りをしました。
※真清田神社
舞楽神事の舞台は社殿の左側に設えてありました。
日月(じつげつ)の飾りを付けた火焔太鼓の色どりが鮮やかでした。
※火焔太鼓
[曲目]
①【神楽】桃豊舞(とうほまい)
②【管弦】栁花苑(りゅうかえん)・酒胡子(しゅこし)
③【舞楽】振鉾(えんぶ)・迦陵頻(かりょうびん)・抜頭(ばとう)・長慶子(ちょうけいし)
※①の[桃豊舞]
※③の[抜頭]
最も興味を引かれたのは予想もしていなかった[迦陵頻]の曲目で、説明によると[胡蝶(こちょう)]と[迦陵頻]を一年交代で舞っているそうです。(来年も行かなければなりません!)
※③の[迦陵頻]
雅楽の[迦陵頻]について、広辞苑には「天冠をつけ、鳥の翼を負い、銅拍子(どびょうし)を持った4人の童子が舞う」とあります。
そうなんです。その通りだったのです…。
迦陵頻については、『源氏物語』の「胡蝶」の巻に記述があり、徳川美術館で購入した『絵本源氏物語』(貴重本刊行会)の中には江戸時代に描かれた絵が載っていて、知識としては頭の中にあったのですが、まさか1000年の時を越えて、その様式が今に伝えられているとは思ってもみないことでした。(恐ろしいことです!)
※『絵本源氏物語』より迦陵頻と胡蝶。
世の中は知らないことだらけです!
なお、[迦陵頻]を辞書で引くと、❶迦陵頻伽の略。❷雅楽の曲名として上記の解説があります。
迦陵頻伽(かりょうびんが)は、極楽にいるという想像上の鳥で、その像は人頭・鳥身の姿で表す事が多いそうです。
ところで、香道の組香には「胡蝶」の巻から引いた「小蝶香」がありますが、聞き方等についてはまた後日に…。
実は、真清田神社を訪れた一番の目的は、宝物館に所蔵されている「蘭奢待」の見学でしたが、事の顛末はこれまた後日に…。(^O^)