香道の心得 師走

今日から師走。

忘年会が早々と名古屋市内で行なわれ、ワイワイと飲んで騒いできました。
アルコールが入ると皆さん笑顔で陽気になるのだから不思議ですねぇ~。(あたり前!)

志野流香道先代家元・蜂谷幽求斎宗由宗匠(1902~1988)が月刊誌に寄稿されていたという「香道の心得」です。

香道の心得 ◆師走◆ (1)

 締められた障子に落葉した木々の影などがさす。室内の暖は、香木の香りのために寒さは少々身に応えても、出来れば昔なりによくおきた炭を火鉢に入れる程度にしておこう。
この頃行う冬月・冬夜・玄冬・雪見の香や、年の瀬の〝歳暮香〟などは、冬の情景を見事に描写しているだけに、出香者はその事象をいかなる香によって表現するか十分に思索し、香組みしなければならない。

【冬月香】香四種[霜・雪・氷・月]
【冬夜香】香四種[一・二・三・客]
【玄冬香】香四種[氷・雪・寒水・寒林]
【雪見香】香五種[山・里・浦・原・雪]
【歳暮香】香四種[年・月・日・客]

南北に細長い日本列島。
一口に12月・冬といっても、北の国や東海地方、そして南の国では気候や情景は幾分異なっていますから、各地で行なわれる組香にも違いがあるかもしれません。

12月の名古屋で雪が積もるとすれば矢張り月末、しかも数年に一度ぐらいでしょうか。
従って、雪や氷を題材にした組香はあまり取り上げられていないような気がしています。

振り返ってみると、12月の定番の組香といえば、矢張り【歳暮香】でしょうか。
次いで、【冬夜香】や【一陽香】が時季の組香として顔を出しているようです。

今年も【歳暮香】の季節が巡ってきました…。
「日々是好日」のタマモノです。