天神さん

今日の名古屋は快晴で風も穏やか、そしてこの時期にしては気温も高めで過ごしやすい一日でした。
そんなお天気に誘われて、久しぶりに名古屋・豊国神社の月釜に出かけました。

席主さんは、裏千家・庄司宗文氏と表千家・小栗宏子氏のお二人。

2月25日は学問の神様とされる菅原道真の祥月命日です。
天神さんに因んだ掛物やお道具で、両席とも趣向が凝らしてありました。

お菓子銘は「余香」と「飛梅」で、両席とも梅の意匠でした。

「飛梅」は、菅原道真が時の左大臣・藤原時平によって大宰府に追いやられた際、都を発つにあたって「東風(こち)吹かばにほひおこせよ梅の花 主(あるじ)なしとて春を忘るな」(『拾遺和歌集』1006)と歌を読み、後に一夜で都から大宰府へ梅の木が飛んでいったという「飛梅」伝説に因むお菓子のようでした。
その飛梅は太宰府天満宮の境内に今も現存しているといいますから、もう伝説を通り越しています。

「余香」は、重陽の節供の一日後に道真が大宰府で詠んだ漢詩の中に、下賜された御衣から薫る「余香(餘香)」に遠い都を想う句があり、そこから銘を引かれたようです。(お菓子銘は、本当に面白いです!)

豊頌軒のお席で、御釜をお尋ねしたところ「天神釜」と答えられたような…。
いやぁ、「道真(どうしん)釜」だったかも…。(全くもってあやふやですぅ~)
客から見える側には梅が、反対側には牛の鋳型があるとのことでした。(^O^)

槍梅絵のお茶碗、梅に鶯、道真像などなど、天神さんに因んだ道具組のお席を満喫した次第です。
楽しいお席でした…。

※桐蔭席

※手水鉢(竹枝葉付きの柄杓が最高!)

※関守石

この関守石の意匠は何回か見ていますが、針金で立ち上がりが作られていることに今日初めて気付きました。
確かに、芯は針金でないと、こんなにスックと立っているわけがありませんね…。
(石を十文字に結んでいる針金が見えています!)