曜変天目3碗が東京・奈良・滋賀で!
国宝の曜変天目茶碗3碗がこの春、ほぼ時期を同じくして東京・奈良・滋賀で公開されます。
※朝日新聞夕刊(2/25)
下記美術館の特別展期間中にそれぞれ公開となっています。
●東京・静嘉堂文庫美術館…「日本刀の華 備前刀」(4月13日~6月2日)
●奈良・奈良国立博物館…「国宝の殿堂 藤田美術館展」(4月13日~6月9日)
●滋賀・ミホミュージアム…「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋(はそうあい)」(3月21日~5月19日)
個人的に、最も注目しているのは滋賀県甲賀市のMIHO MUSEUMの「大徳寺龍光院 国宝 曜変天目と破草鞋(はそうあい)」。
大徳寺の塔頭・龍光院は、普段は固く門を閉じていて、一般拝観は受け付けていません。
龍光院は数々の秘宝を蔵し、茶の湯関係では特に国宝・曜変天目茶碗と国宝・密庵(みったん)の墨蹟、そして国宝・密庵席を有していることで知られています。
龍光院蔵の曜変天目茶碗は2017年秋の京博「国宝」展に出展され、初めて目にしましたが、あの美しい銀河のキラメキは今でも鮮明に思い出すことができます。
今回、同展が開かれることになった経緯は知る由もありませんが、MIHOミュージアム館長が茶の湯研究第一人者の熊倉功夫氏であることも関係しているのかもしれません。
MIHOミュージアムは一度訪れたことがありますが、谷を渡る空中回廊、近くの山に見える銅鐸の鐘など、特別な雰囲気のミュージアムでもありました。
ただ惜しむらくは公共アクセスがあまり良くないこと。(だからこそ、あの地に在るとも云えます)
矢張り、クルマで行くのがベストかも…。
MIHOミュージアムへ行けば、龍光院のお宝に逢えると思うと、今から楽しみです。
詩歌をちこち 【三躰香】
『三体和歌』(建仁二年(1202)三月二十二日、後鳥羽院が和歌所で行った「三体和歌会」に提出された歌。高体 春夏、疲体 秋冬、艶体 恋旅)
| 題
| 春夏 此二は、ふかくおほきによむべし
| 秋冬 此二は、からびほそくよむべし
| 恋旅 此二は、ことに艶によむべし| 作
| 左馬頭親定 左大臣後京極摂政良経公
| 座主前大僧正慈円 定家朝臣正四位下行左近衛権少将
| 家隆朝臣上総介 寂蓮
| 鴨長明散位従五位下| 春 1 左馬頭親定 院御製
かりかへる常世のはなのいかなれや 月はいづくもおなじ春の夜| 秋 9 左大臣
萩はらや夜半に秋風露ふけば あらぬ玉ちる床のさむしろ| 恋 17 前大僧正
人しれぬ涙ばかりにぬれ衣を 夢にほせやと返してぞぬる| 春 19 定家朝臣
花ざかり霞の衣ほころびて みねしろたへの天のかご山| 旅 30 家隆朝臣
旅ねする夢路はゆるせうつの山 関とはきけどもる人はなし| 夏 32 寂蓮
夏の夜の有明の空に郭公 月よりおつる夜半の一声| 冬 40 鴨長明
さびしさはなほのこりけり跡たゆる 落葉がうへの今朝のはつ雪*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
※藤原親定(ふじわらのちかさだ)/藤原良経(ふじわらのよしつね)