カナカナカナ・・・

夕方、「カナカナカナ…」と鳴く声がはっきり聞こえました。
蜩(ひぐらし)の鳴く声です。

奇しくも、今日は七十二候で「寒蝉鳴」(ひぐらし鳴く)となっている日です。
偶然とはいえ、暦の通りになるなんて、珍しいことです。

今日13日は、月遅れ「ぼん迎え火」の日。
珍しいことに、今年は旧「ぼん迎え火」の日でもあります。
今年はたまたま新暦8月1日が旧暦七月一日であったことから、月遅れと旧のお盆迎え火が同じ日というわけです。

習いに従って、祖先の精霊を迎えるべく、夕方おがら【麻幹・苧殻】を焚いたのでした。

詩歌をちこち 【千年香】

|①『新勅撰和歌集』巻第七 賀歌 460
|  仁安三年、摂政閑院家にて、対松争齢といへる心をよみ侍りける   権中納言兼光
うつしううる松のみどりもきみが世も けふこそちよのはじめなりけれ

|②『拾玉集』(慈円)第一 詠百首倭歌 884
|  窓前栽竹
千代ふべきやどのまがきにうゑつれば 竹もや君を友と見るらむ

|③『堀川百首』 雑廿首 1353
|     師時
君が代のためとむれゐるたづなれば 千年をかねてあそぶなりけり

|④『万代和歌集』巻第廿 賀歌 3779
|  祐子内親王歌合に、千年山を   よみ人しらず
まさごよりいはねとなれる千年山 こや君がよのためしなるらむ

|⑤『拾遺和歌集』巻第十 神楽歌 609
|  天禄元年大嘗会風俗、千世能山   よしのぶ
ことしよりちとせの山はこゑたえず 君がみよをぞいのるべらなる

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*④同歌:『歌枕名寄』巻第三十 丹波国 7658

※藤原兼光(ふじわらのかねみつ)
※慈円(じえん)
※源師時(みなもとのもろとき)
※大中臣能宣(おおなかとみのよしのぶ)