送り火
今朝は習いに従い、「おがら」を焚いて祖先の精霊を送り、もろもろの安寧を願いました。
京都では五山送り火の日。
中国地方を縦断した台風10号の影響が心配されていましたが、台風は昨日の内に日本海へ抜け、今日は予定通り実施となりました。
午後八時から5分おきに、大文字、妙法、船形、左大文字、鳥居形の順に火が浮かび上がりました。
今はTVで鑑賞するようになりましたが、その昔?抽選に当たって、京都駅の屋上から五山送り火を観たことを思い出します。
NHKBS3では、特別に冷泉家の供養の様子と、当主夫人である冷泉貴実子氏の和歌が詠まれました。
TV画面に表示されたテロップの和歌です。(実際に短冊に認められた文字とは異なります。)
ぬばたまの夜の山々送り火の ほのおは燃えて夏の過ぎゆく
私的には、画面に映し出された海松貝蒔絵の硯箱と、同じ蒔絵を施した硯に目を奪われました…。
立秋も過ぎ、朝夕の風に何かしら秋の気配を感じるようになりました。
8月も半ばを過ぎ、夏休みの残り日数がそろそろ気になり始める頃でもあります。
一日、また一日、カレンダーの日付を見ながら、夏の終わりが近いことを感じています…。
詩歌をちこち 【萬歳香】
|『古今和歌集』巻第七 賀歌 343
| 題しらず よみ人しらずわが君は千世にやちよにさざれいしのいはほとなりてこけのむすまで
〔大意〕わが君は、永遠の世々に、小さな石が大きな岩と成って苔が生い茂るさきざきまで長く、おすこやかにあらせられませ。
*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)※『曾我物語(仮名)』巻六 弁財天の御事
君が世は千代に八千代をさざれ石の 巌となりて苔のむすまで