朝顔・蕣花・牽牛花

朝顔が数日前から咲きだしています。
今年は種まきが遅かったため、「えっ、今頃?」と云われるほどの遅い開花となりました。
ネットに這わせていますが、なんだか勢いはイマイチという感じです。

朝顔は、平安の昔から薬用として栽培され、江戸時代に多くの品種を生んだつる性(左巻き・Z巻き)の植物。
牽牛花(けんぎゅうか)や蕣花(しゅんか)などの別名もあります。

牽牛花は、大事な牛を牽(ひ)いて行って薬草の朝顔にかえたという故事からの名で、蕣花の「蕣」には字義として、むくげ(木槿)や朝顔といった意味があるようです。
また、朝顔の種子は、漢方で牽牛子(けにごし・けんごし)と云われ、下剤や利尿剤として古くから用いられていたと辞書にはあります。

香道の札銘では、「蕣花」と書いて(あさがお)と読まれています。
古くは(あさかほ)と記されたことから、ルビに(アサガホ)とカタカナで表記されている場合もあるようです。

札銘集には、春・夏・秋・冬・祝の各部に様々な植物が配されていますが、漢字と読みに思わず頬が緩んでしまうような植物名もあります。
例えば、冬の部にある「水仙」の読みは(すいせん)ですが、もう一つの「水鮮」は(せっちゅうか)と読まれているようです。
なるほど、水仙の別名は(せっちゅうか)「雪中花」です。
どうでもいいことなのですが、調べ始めると結構面白いです…。
私的には、使い勝手の良さから、札銘集の漢字の振り仮名は全て現代仮名遣いにしています。(^O^)

個人的な趣味で始めた「詩歌をちこち」のシリーズは、1月30日の【宇治山香】から始まり、ここまで約7ヶ月、回数にして六十数回を数えます。
振り返ってみると、飽きもせずよくぞ続けてきたものだと我ながら呆れてしまいます…。

何処から種が飛んできたのか、外来種のタカサゴユリが数ヶ所で咲いています。