正倉院の世界

雨模様の中、東京国立博物館へ行ってきました。
お目当ては「正倉院の世界」展の見学。

※10:30の時点で入館待ち40分。

館内はそれなりに混雑していましたが、流れに沿ってガラス越しに展示物をしっかり見ることができました。

最初の部屋で度肝を抜かれたのが「東大寺献物帳(国家珍宝帳)」。
一面に押された朱色の御璽の上に、墨の色も鮮やかに献納物が一点ずつ認められている、奈良時代(756年)に書かれた巻物です。
約1300年もの時を経た字とは思えないほどの美しさ・鮮やかさです。
展示品の目玉の一つである「螺鈿紫檀五絃琵琶」の文字もしっかり書いてありました。

チラシにも記してあるように、正倉院宝物と法隆寺献納宝物がこれほどの規模で同時に公開されるのは初めてのことだそうです。

個別展示ケースに入れられていた「平螺鈿背円鏡」や「海磯鏡」は細かな細工が施されていて目を引かれました。

個人的に興味を持っていた香木・黄熟香(別称「蘭奢待」)は平成23年の奈良「正倉院展」で展示された姿そのままでした。

※蘭奢待(絵ハガキより)

江戸時代・元禄六年の開封修理の際、綱吉が特別に作らせた黄熟香専用の唐櫃もなかなかの迫力でした。
今回新たに展示されていた沈水香は1mあまりの大きな香木でしたが、銘は特に記してありませんでした。(残念)
また、白檀香は棒状の大きな香木でしたが、ペルシャ文字やゾグド文字の焼き印があり、伝来のルートを想像させる品物となっていました。

先日のTV番組で紹介されていた「螺鈿紫檀五絃琵琶」は、息を呑むほどの美しい宝物でした。
8世紀・唐の時代に作られたようですが、百聞は一見にしかず、素晴らしいの一言です。

※左は背面、右は表面。(絵ハガキより)

展示室出口の近くには正倉院の扉と勅封の模型が作られていて、撮影OKとなっていました。

正倉院の宝物を満喫した、見ごたえのある特別展でした。

今日は旧暦の十月二日、亥の月・亥の日です。
習いに従って、亥の子餅を菓子舗「たねや」で買い求めました。

亥の子餅については、またの機会に…。(^O^)