○○物外心
NHKEテレで毎週月曜に放送されている「茶の湯 裏千家 心を通わすお茶」は昨夜が7回目。
タイトルは「炭の魅力を知る」。
釜が煮える音の変化、炭の生産者のお話(菊炭作り)、そして吊釜を用いた裏千家流炭手前が見どころとなっていました。
番組冒頭の映像で、床に掛けてある横物に目が留まりました。
右から読んで「○○物外心」と読めますが、最初の二文字がよく解りません。
二文字目は「萬」あるいは「前」のどちらかと思いましたが、二文字目の右にある「ヽ」を二文字目の一部と思いこんだが為、結果として一文字目も解らなくなりました。
『茶席の禅語大辞典』(淡交社)を引っ張り出し、五文字の禅語に目を走らせました。
「粛然物外心」はありましたが、明らかに掛物の文言とは異なります。
長い禅語の一部?と思い、索引ページをみたところ、「…物外心」となっている14字の禅語がありました。
十年枕上塵中夢半夜灯前物外心
これです!
終りの五文字「灯前物外心」です。
『茶席の禅語大辞典』には、以下の解説がなされています。
十年枕上塵中夢
半夜灯前物外心
十年(じゅうねん)枕上(ちんじょう)塵中(じんちゅう)の夢、
半夜(はんや)灯前(とうぜん)物外(もつがい)の心(しん)
[解説]努力修業をすれば必ず悟りにいたる。しかしその過程がなかなか骨が折れるのである。じつに十年もの間、夜な夜な悔し涙に枕を濡らしてきたが、その辛苦がついに報われ、一夜大悟することができた。暗黒の悪夢が覚めて、いまはもう安らかに。物外(もつがい)の心(しん)は、世俗のさまざまを超脱した穏やかな境涯。
参りました。
最初の文字は「燈」で、二文字目の「ヽ」と勘違いしたのは、燈の偏「火」の一部だったのです。
横物は「燈前物外心」でした!(^O^)
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茶の湯で用いる「菊炭」は美しいです。
それにしても、炭窯でつくった炭のうち、「菊炭」になるのは2割程との話には驚きました。
心して扱わねばなりません…。(^O^)