正倉院宝物-蘭奢待

昨夜のNHKTV番組「歴史秘話ヒストリア」は、「正倉院宝物 守られた奇跡の輝き」とのタイトルで、1300年もの長きにわたって守られてきた宝物のいくつかにスポットをあて、裏話も交えながら紹介していました。

[番組中で紹介された宝物]
平螺鈿背八角鏡
白瑠璃碗
・粉地採絵八角几
・鳥毛立女屏風
螺鈿紫檀五弦琵琶
黄熟香
紫檀木画槽琵琶
※太字は昨年秋に東京国立博物館で開催された「正倉院の世界」展にも出展されていた品です。

番組を視聴しながら、小雨の中、東京へ出かけた記憶が蘇りました。
すべてがお宝という中でも、平螺鈿五弦琵琶や勅封・海老錠、そして黄熟香及び収納箱などは強く印象に残っています。

その黄熟香(別名:蘭奢待)。
2018年秋に名古屋の志野流香道松隠軒において、家元に伝わる「蘭奢待」の撮影が行われたという噂は聞いていました。
詳しい内容や放送予定日は知りませんでしたが、2年近く経った昨夜の番組「正倉院宝物」でやっとお披露目となりました。

※正倉院の黄熟香(別名:蘭奢待)

※菊の御紋の箱の中から…。


※下賜された黄熟香(別名:蘭奢待)の一片。包み紙は竹紙(ちくし)。

家元に伝わる「蘭奢待」については、先代家元・蜂谷幽求斎宗由宗匠が月刊誌に寄稿された「香道の心得」の中にも、由来が記してあります。(以下は部分)

「かって伝来していたそれは、十一世の宝暦四年付の添文と共に流失(現徳川美術館蔵)したが、くしくもまた明治十一年、明治天皇の行幸の際截香されたものの一部を、由来書を添付し十五世に贈られた。それが現在のものである。」
※十五世は蜂谷宗意(1803~1881)

同番組では、松隠軒におけるお香席の様子も紹介していましたが、天下のNHKの撮影ともなると、さすがに緊張の面持ちであったように感じられました。(^O^)

同番組の再放送予定です。
5月19日(火)15:08~15:55
5月26日(火)15:08~15:55
申し訳ありません。26日は別の番組の再放送になっていました。