重陽の節供2020
九月九日は、陽数(奇数)一、三、五、七、九の中で最大の数九が二つ重なる目出度い重陽の節供の日。(菊の節供とも)
元は旧暦九月九日の節供でしたが、明治五年の改暦に伴い新暦9月9日にスライドされて今日に至っている節供です。
流石に菊の開花にはまだ早く、旧暦九月九日(今年は10月25日)なら美しい菊の花が咲き乱れる時季なので菊の節供という名称も頷けますが、新暦ではちょっと……といったところでしょうか。
故事「菊慈童」にあるように、菊には邪気を払い不老長寿をはかる効能があるとされています。
「菊のきせ綿」を行ない、菊酒や水に菊花を浮かべて飲むことによって、長生を願ったようです。
今日は習いに従って、安直に越後のお酒「菊水」をいただくことにしました。(酔って赤くなるだけ?)
菊に因んだ茶掛けの禅語は幾つかありますが、「採菊東籬下 悠然見南山」(菊を東籬の下に採って、悠然として南山を見る)はその一つ。
酒と菊を愛したという陶淵明の作となっていますが、想像しただけで目の前には雄大な景観が広がっていくようです。
ところで、菊は四君子(竹・梅・蘭・菊)の一つ。
京都・北村美術館の庭園「四君子苑」は、菊(きく)、竹(たけ)、梅(むめ・うめ)、蘭(らん)の頭四文字で「きたむら」になることから名づけられたとか…。
北村さんは四君子さん?
また、香道の組香には「重陽香」があります。
香は四種(一、二、初三、後三)、出香九包の組香で、漢詩と和歌が用意されています。
燕知社日辞巣去 菊為重陽冒雨開
我が宿の菊のしら露けふ毎に いく代つもりて淵となるらん
「重陽香」については、当ブログでも記事にした覚えがあります。(^^)
地植えのノカンゾウ【野萱草】の花が咲きました。