寒露・大安

今日は(から)二十四節気の一つ「寒露」。

新旧カレンダーに「朝夕の冷え込みはいちだんと増し、秋草の葉に冷たい露がつくようになる。」とあるように、朝夕は急に冷え込むようになりました。
暑い、暑いとあれほどぼやいていたのが嘘のように、肌寒さを感じて着衣を一枚増やしているようなこの頃です。

公園の落葉樹は葉の色を染め、ハラリと舞い落ちるようになってきました。
秋が日ごとに深まっていくようです。

※柿の木坂

コロナ禍で多くの催しが取りやめになっていましたが、一般の香教室や一般向けの聞香会が10月から部分的に再開の運びとなっているようです。
勿論、手指を消毒し、マスクを着用したうえで、三密とならないように一座の人数を半分にとどめるソーシャルディスタンスを取りながらの聞香のようです。
ネットを見ると、10月のとある香会は満席になっていましたから、多くの方々が久々の「香り」を待ち望んで?いたのかもしれません。(^^)

この時季ですと、「菊合香」をはじめとして「月見香」、「玉章香」、「秋夜香」など風情のある組香がたくさんありそうです。

暦を見ると、今日は「大安」で縁起のいい日となっています。
大安は六曜(先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口)の一つ。
「六曜?何それ?」と云われそうですが、今でこそ何だかよくわからない、不思議な、神秘的な巡り合わせのように思われていますが、旧暦を用いていた時代には自明?の事柄だったようです。

六曜は旧暦の一月一日を先勝として、上記の順番で巡っていきますが、月が替わると不連続となります。
六曜は、旧暦の月と日を足して六で割った余りの数で機械的に決まります。
余りが0…大安
余りが1…赤口
余りが2…先勝
余りが3…友引
余りが4…先負
余りが5…仏滅

例えば、今月10月1日の中秋の名月(旧暦八月十五日)の日は、(8+15)÷6を計算すると余りは5、即ち仏滅でした。
中秋の名月の日は未来永劫変わることなく仏滅です。
十三夜を愛でる後の月(旧暦九月十三日)の日は、(9+13)÷6を計算すると余りは4、即ち先負の日となります。
旧暦一月一日、七月一日は余りが2、即ち先勝となります。

今日は旧暦の八月二十二日ですから、(8+22)÷6の余りは0となり、めでたく「大安」です。

裏千家の行事予定表によると、今日は「若宗匠格式宣誓式」が宗家で執り行われることになっています。

コロナ禍ではありますが、予定通りつつがなく行われることは誠にお目出度く、昨年から決まっていた期日の設定には先見の明があったと言わざるを得ません。

正式に若宗匠となるのは、次男の千敬史氏。
今回の儀式を経て、家元後継であることを内外に広く宣言したことになります。
この先、一門の隆盛が双肩にかかるだけに、背負う責任は想像するだけでも、とてもとても重そうです。

コウヤボウキ【高野箒】の花が咲いています。