出香三包までの組香

お香の席で出会う組香は実に様々で、炷かれた香炉が回ってくる数も二つ、三つから、十炷を超えるもの、果ては二十五炷までと組香に応じていろいろです。
香種が少ないからといって出香数が少ないとは限らず、逆に香種が多くても出香数は少ない、しかし試みの数が多いといった組香もあり、一筋縄では括れません。

どうなんだろう?と思い、組香目録にある組香から、手始めに出香が三包以下のものをざっと拾ってみました。

《出香一包》宇治山香、宇治名所香※、水鳥香。(※宇治名所香は二包とすることも…。)

《出香二包》鳥合香、春秋香、女郎花香、名月香※、陸奥名所香、六歌仙香、替花月香。(※名月香は一包とすることも…。)

《出香三包》小草香※、三夕香、梅烟香、月見香、源氏三習香、異(かわり)三徳香、歌集香、三代集香、三種香、駒止香、三星香、松竹梅香、(※小草香は二包或いは四包・五包のことも…。)

それぞれの組香の香種と試みの数は以下のようです。

《出香一包》
【宇治山香】[我庵は・都のたつみ・しかそすむ・世を宇治山と・人はいふなり]試み5
【宇治名所香】[小嶋崎・山吹瀬・橋姫・扇芝・朝日山]試み5
【水鳥香】[鴨・鳰・鴛]試み2

《出香二包》
【鳥合香】[百千鳥・稲負鳥・呼子鳥・客]試み3
【春秋香】[霞・露]試み2
【女郎花香】[を・み・な・へ・し・客]試み5
【名月香】[月・客]試み1
【陸奥名所香】[松島・塩竃・小舟]試み2
【六歌仙香】[朝みとり・月やあらぬ・我庵は・吹くからに・思ひいてて・色みえて]試み6
【替花月香】[花・月]試み2

《出香三包》
【小草香】[例あやめ:一二三]試み0
【三夕香】[槇立山・鴫立沢・浦苫屋]試み2
【梅烟香】[梅・烟・香]試み2
【月見香】[月・客]試み1
【源氏三習香】[揚名介・とのゐもの袋・子のこの餅・客]試み3
【異三徳香】[福・禄・寿]試み2
【歌集香】[古今・後撰・拾遺・後拾遺・金葉・詞花・千載・新古今]試み8
【三代集香】[古今・後撰・拾遺]試み3
【三種香】[一・二・三]試み0
【駒止香】[井出の玉川・佐野の渡り・宇治より渡る]試み3
【三星香】[福星・禄星・寿星]試み3
【松竹梅香】[松・竹・梅]試み3

眺めてみると、試みと出香で計三炷となるのが【水鳥香】【名月香】【三種香】で最小のようです。(※場合によっては【小草香】も三炷、また【名月香】は二炷となる場合も…。)
上記の中では【歌集香】が試み8、出香3の計11炷で最大となるようです。

ざっと拾ってみた割には、成果が乏しいというか、単に挙げてみただけという結果に終わってしまいました。
骨折り損のくたびれ儲けの典型です。ハイ。

マンリョウ【万両】の実が赤く色づいています。