落葉
風は穏やか、雲一つない晴天に恵まれた小春日和の一日でした。
12月に入り、そろりそろりと大掃除の段取りを考えています。
年々該当箇所を縮小してもなお、掃除が間に合わなかったときは「掃除しなかったからと云って、別に命に関わることではないし…」なんてうそぶいています…。
赤く色づいた紅葉の落葉が始まっています。
葉が落ちきるまで、落葉掃きはしばらくお預けです。
朝、起きてみるとすっかり葉が落ちていた、そんな日も案外近いのかもしれません。
一行物に「開門落葉多」というのがありました。
禅語「聴雨寒更尽 開門落葉多」の中の句です。
読みは、雨を聴いて寒更(かんこう)尽き、門を開けば落葉多し。
『茶席の禅語大辞典』(淡交社)によると、「雨音を聴いているうちに、寒い夜更けが過ぎ、夜が明けたので門を開けてみると、あたり一面に葉が落ちていた。一晩中聴いていた雨音は、朝になって見れば実は軒端をたたく落葉の音だったという幽寂な閑居の風情。」とあります。
解るような、解らないような…、モヤモヤッとしたところが禅語の禅語たる所以かもしれません。
香道の組香には【時雨香】があります。
香五種として、次の和歌の五句を引いた組香となっています。
木の葉散る 宿は聞き分く かたそなき 時雨する夜も 時雨せぬ夜も
『後拾遺和歌集』第六冬382には、落葉如雨といふ心をよめる、として源頼実の歌があります。
このはちるやどはききわくことぞなき しぐれするよもしぐれせぬよも
〔大意〕木の葉が散る家では聞き分けることができないことだ。時雨が降る夜とも、時雨が降らない夜とも。
和歌出典『新編国歌大鑑』(角川書店)/大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)
歌が意味するところは明快です。(^^)
【時雨香】は冬の時季の組香です。
他に冬の組香はないものかしらんと思い、組香名から該当しそうなものをピックアップしてみました。
冬と云っても、旧暦の冬(旧暦十月・十一月・十二月)の時季です。
三友香、時雨香、千鳥香、落葉香、初冬香、冬月香、歳暮香、玄冬香、冬夜香、一陽香、替一陽香、雪見香、水鳥香、烟雪香
こんなところでしょうか…。
意外と少ないような感じがしますが、他にもあるかもしれません。(^^)