公園の梅の花が咲いています。

※梅「玉垣」

古くはムメとも云っていた梅。
松竹梅や名花十友、そして四君子の中にもその名がある、まさに百花に先駆けて咲く「花の魁(さきがけ)」です。

四君子は梅・竹・蘭・菊の総称。
京都・北村美術館の庭園には「四君子苑」の名が付されていたように記憶していますが、キ・タ・ム・ラは四君子の菊・竹・梅(ムメ)・蘭の頭文字となっています。
そうなんです、北村さんは四君子さんなのです!(^^)

梅の異名として、好文木(こうぶんぼく)があります。
中国、晉の武帝が学問に励んでいる時は梅の花が開き、学問を怠る時は散りしおれていた「晉起居注」に見えたといわれる故事から、と辞書にはあります。

茶の湯では、表千家十二代家元・惺斎宗匠が好まれた二重棚に「好文棚」があり、五弁の梅花型にくりぬかれた透かしと三角形の天板と中板、菱形の地板が印象的な棚となっています。

この棚は、梅の異名が「好文木」であることから、梅花の時季2月に多く用いられように聞いています。
そういえば、2月末には学問の神様・菅原道真(祥月命日は旧暦二月二十五日)をまつる天満宮の梅花祭も催されています。
飛梅伝説や「東風吹かば……」の和歌が思い出されるところです。

もう一つ、梅の異名として「此花(このはな)」が知られています。
大阪市には此花区があり、市立「咲くやこの花中学校・高等学校」と学校の名前にまで此花がついています。
いにしえに繋がるロマンを感じさせる素敵な校名です。(^^)

難波津に咲くやこの花冬ごもり 今は春べと咲くやこの花

歌は『古今和歌集』仮名序や『古来風体抄』にあり、王仁(わに)の作と伝えられています。
※王仁(わに)=古代、応神天皇のとき、百済から呼び寄せたとされる渡来人。

大阪市の此花区の名称はこの歌から引用されているとか…。
この歌は手習いのはじめとして、また百人一首かるたの最初に詠まれる空札としても知られています。

香道では、上記の歌が組香の「難波津香」と「鳥跡香」に引かれています。

福寿草が咲きました。
福寿草は新年の季語ともなっていて、異名は元日草。
そういえば、今年は2月12日が旧暦の一月一日となっています。