豊国神社月釜・聞香席は菖蒲香

名古屋・豊国神社の月釜に出かけました。
久しぶりのことです。
今月の担当は志野流、いつもの月釜であれば濃茶席と薄茶席の二席なのですが、今回は濃茶席の代わりに聞香席が用意されていて、薄茶席→聞香席という願ってもないサプライズ趣向でした。(^^)

薄茶席の床に掛けられていたのは宙宝筆一行「山是山水是水」。
席主さんの時宜を得た見事な説明に、一瞬、薫風がお席を通り抜けたように感じました。
古銅下蕪の花入には「大山蓮華」が入れられ、蕾の白さが目に残りました。

水指は染付手桶形のもので、本歌は徳川美術館蔵の古染付手桶形水指(寧波染付手桶御水指)。
写しなので、本歌より小ぶりのようです。
釜は兜型、風炉は唐銅瓜形(阿古陀形)。
お点前に使われた棗は、華やかな楽器蒔絵の品でした。

お菓子は美濃忠の銘「風の使(つかい)」。(香道家元ならではの銘です!)
ゆったりとしたお席で美味しいお茶とお菓子をいただき、加えて素晴らしい数々のお道具を拝見できて、至福のひと時でした。(^^)

聞香席の組香は「菖蒲香」。

◆香は五種
一として 一包で無試
二として 一包で無試
三として 一包で無試
四として 二包で内一包
五として 一包で無試

◆聞き方・答え方
四(アヤメ)の試みを聞いた後、出香として一~五の各一包計五包を打ち交ぜて炷き出します。
唯一試みのある四(アヤメ)の香が何番目に出たかを聞き当て答えます。(記紙への書き方は略)

[証歌]五月雨に池のまこもの水まして いづれあやめとひきぞわづらふ 源三位頼政

結果は、見事に外れでした。(頼政の放った矢に討ち死に?)

久しぶりのお香席を存分に楽しませていただきました。感謝です。(^^)