霜降

今日は(から)二十四節気の「霜降」。(黄経210度)
七十二候では「霜始降(しもはじめてふる)」。
当地ではまだまだですが、北国や山間部ではそろそろ霜が降り始める頃なのかもしれません。(先日の冷え込みで北海道ではすっかり雪景色との便りもありましたが…)

10月8日が「寒露」でしたから、半月ほど季節が進んで「露」が「霜」に替ったことになります。
露は液体ですが、霜は固体。
多く晴天無風の夜、地表面付近の気温が氷点下になって、空気中の水蒸気が地表や物に接触して昇華し、白色の氷片を形成したもの、と『広辞苑』にはあります。

江戸時代の暦の解説書『暦便覧』に、「霜降」は「つゆが陰気に結ばれて、霜となりて降るゆへ也」とありますから、古くは霜は露の凍ったものと考えられていたようです。

大外組に収められている組香「初霜香」は、霜と白菊と白髪を巧みに織り込んでいます。
聞き方等は、2017.10.31付けのブログ記事で紹介しています。
香は二種[初霜・白菊]、出香二包のとてもシンプルな組香です。

証歌は下の三首。
真っ白な霜と白菊、そして白髪の取り合わせが絶妙です。

心あてにおらばやおらん初霜のおきまどわせる白菊の花  躬恒(古今和歌集・和漢朗詠集273)

おのづから残るも淋し枯の草葉にまじる庭の白菊    師良(新後撰和歌集)

庭の面に老の友なる白菊は六十ぢのやなほかさぬべき  後宇多院(風雅和歌集)

先日の20日は土用の入り、11月6日までの18日間は「秋の土用」です。
そして、明くる11月7日は早や「立冬」となります。

誰が考えたのでしょうか、季節が一夜にして秋から冬へと替わるのではなく、移行期間とでも云うべき18日間の「土用」を設け、季節は緩やかに移ろっていくものだなんて…。

[木・火・土・金・水]の五行説を季節に当てはめると「春・夏・土用・秋・冬」。
一年365日を五季に分けると各季は73日となり、土用分の73日を四分割して得られる18~19日を春・夏・秋・冬の後に分配したのが夫々の季節の土用となっています。

尤も、天文学的には立春・立夏・立秋・立冬の日付は黄経の角度で定まっていますが…。 (^^)

「立冬」までちょうど半月。
ぼちぼちと冬支度でしょうか…。

※シノノメホトトギス【東雲杜鵑】

※コウヤボウキ【高野箒】

今年の国民文化祭の開催県は沖縄。
29日は志野流、30日は御家流によって香席が設けられるようです。

全国大会が沖縄県で開催されると嬉しいのですが…。 (^^)
文句なく飛んでいきます。ハイ。