利休堂

昨年12月からNHKEテレで放送されていた「茶の湯 裏千家 一陽来復」(全8回)は昨夜が最終回でした。
正月を迎える歳末の準備、元旦未明の大福茶のお話など、見どころ聴きどころが多い家元のお話でした。

番組の中で、初めて見たのが「利休堂」の内部写真。

以前、裏千家家元を見学?する機会があり、利休堂入口前に坐してお参りをした際に、薄暗い部屋の中からおどろおどろしい風が吹いてきて身震いしたことを思い出しました。(勿論、利休堂の中には入れません!)
見学会では、溜精軒、寒雲亭、咄々斎、大炉の間などを回り、抛筌斎で薄茶をいただいた記憶があります。

利休堂内の写真を見ると、利休像は立像のように見えます。

家元のお話によると、元日未明の大福茶は家族ともども利休堂でいただかれるとのこと、そして業躰の方々は鞘の間(咄々斎の前)に控えられるとのことでした。
無事にまた年を越したことに感謝し、寿ぎ、一族同門がここにあることを改めて確認する証となっているのかもしれません。

今シリーズは、お点前の右左を簡略化し、茶の湯のインフラ紹介に力を注いだ番組制作のように感じました。
ネット時代の今、YouTubeには表千家・裏千家を中心に、お点前の動画がたくさんあり、基本的な所作・順序を覚えるだけなら、ネットで十分と云えるほどです。

初回と最終回が坐忘斎家元のお話を中心に制作されていたこと、また茶の湯のインフラを支えている表具師・一閑張細工師・指物師・袋師・庭師にスポットを当てていたこと、「夜咄の茶事」が炭屋旅館で行なわれていたことなど、今回の番組に掛けるスタッフの並々ならぬ熱意が感じられ、とても面白く勉強にもなった「茶の湯 裏千家 一陽来復」シリーズでした。

今日で一月が終わってしまいました。
なんだか、あっという間に過ぎてしまった感じがします。