立冬!立冬?

今日は二十四節気の「立冬」。
天明七年の『暦便覧』には、「冬の気たちそめて、いよいよひゆればなり」とあります。
何? 冬の気? いよいよ冷える?この暖かさで?

暦の上では今日から冬ということになりますが、今年は11月に入っても季節外れの「夏日」を観測する日の連続で、今日の名古屋は「夏日」にはならなかったものの最高気温は20℃越えの21.8℃の暖かさ。
予報によれば、今週金曜日の風雨をもって空気が入れ替わり、グンと寒くなり初冬が実感できるようになるとのこと。
ひょっとしたら突然の寒さ・冷たい寒風に驚くことになるかもしれません。

初冬の冷たい風で思い浮かぶのは「木枯らし一号」。
西高東低の冬型気圧配置になって、北寄りの風速8m/s以上の風が吹き、前日より気温が3℃以上下がった場合に、東京と大阪について発表されるようです。(当然、ご当地発表もアリですね!)
「木枯し」は、吹く風が木の葉を落とし木が枯れたように見えることからの名とか…。
「木枯し」と同じ意味で、国字には(風+木)の「凩(こがらし)」があります。(便利な一文字!)

今日は、七十二候では「山茶始開」(つばきはじめてひらく)。
「さざんかの花が咲き始める」意となっています。
「山茶(さんちゃ)」はツバキ【椿】の漢名で、その花を「山茶花」と書いて、サンチャカ・サンサカ → サザンカと読むように音転した言葉のようです。
庭では、早咲きで知られる椿「炉開き」・「西王母」が既に咲いていますが、山茶花はまだ蕾のままです。 (^^)

香道の札名<冬の部>にある「山花(さざんか)」は「山茶花」から二文字を採ったものと思われます。
同じく<冬の部>にある「茶梅(ちゃのはな)」は、茶の木に咲く白い花を梅の白い五弁花になぞらえたものと思っていましたが、辞書には「茶梅(ちゃばい)」は山茶花の漢名とあります。
なんだか、ゴチャゴチャしてしまいます。
茶の花は、かって11月下旬に名古屋・八勝館で行われた茶会の折に、田舎家前の植え込みで見たことを思い出します。
深緑の葉の中に茶の白い花が浮かび上がっていました。 (^^)

庭の嵯峨菊がやっと咲き始めました。
代を重ねている為でしょうか、随分と矮小化しているように見えますが、花弁の形は確かに嵯峨菊です。

立冬を迎え、この時季の組香となると、とりあえずは「初冬香」あたりでしょうか?
(「初冬香」については、2018年11月22日付のブログで紹介しています。)