甲辰

今年の干支(えと)は甲辰(きのえたつ・こうしん)。
干支(「え」は兄(え)、「と」は弟(おと)の意)は、十干(じっかん)を五行(木・火・土・金・水)に二つずつ分けて、それぞれ陽の気を表す「え」と陰の気を表す「と」に当て、これに十二支(じゅうにし)を順に組み合わせたもので、甲子(きのえね)から癸亥(みずのとい)まで60の組み合わせとなっています。(10と12の最小公倍数は60)
※十干 =乙丙丁戊己庚辛壬
※十二支=子丑寅巳午未申酉戌亥
※干支=甲子・乙丑・…・癸酉・甲戌・……・壬戌・癸亥

昨年の干支は癸卯(みずのとう・きぼう)でしたが、今日は旧暦では十一月二十四日ですから、旧暦の年が明けていないので干支はまだ改まっていないことになるのでは……なんて、どうでもいいことを思ったりします。
今しばらくは、新暦では甲辰だけど、旧暦では癸卯だなんて…、ヒマな人と思われてしまいそうです。ハイ。(^^)

十二支の五番目にある辰(しん・たつ)。
「辰」を含む文字には、唇・振・震・蜃・宸・賑など、日常的に見かける文字もあります。
これらの漢字は「ふるえる」の意味を共有しているとか…。確かに!

香道には、新年を寿ぐ祝いの組香として「慶賀香」「千年香」「萬歳香」「松竹梅香」などが用意されています。
志野流家元で行われる「聞香始」の組香は、香種数・出香数が少ない「松竹梅香」の回数が比較的多いように感じています。

【松竹梅香】
◆香は三種
松として 二包で内一包試
竹として 同断
梅として 同断

◆聞き方
三種の試みを終えた後、出香三包(松・竹・梅)を打ち交ぜ炷き出します。
※試みを二種としても答えは書けますが、敢えて三種とすることで、かえって迷いが生じるという面白さがあるようです。

【慶賀香】
◆香は五種
松として 三包に認め内一包試
竹として 同断
鶴として 同断
亀として 同断
蓬莱山として 一包に認め無試

◆聞き方など
試みを終え、松・竹・鶴・亀の各二包計八包を打ち交ぜて内から四包を捨て、残り四包に蓬莱山の客香一包を加えた計五包を炷き出します。(本香は最小三種、最大五種、うち一種は蓬莱山となります)
全当たりは点数のところに「賀」と書きます。
松・竹の香多く出たときには詩、鶴・亀の香多く出たときは歌、等分に出たときは詩歌ともに記録紙の奥に書きます。
詩:嘉辰令月歓無極 萬歳千秋楽未央
歌:君か代は千代に八千代に細石のいはほとなりて苔のむすまて
※漢詩「嘉辰令月歓無極 萬歳千秋楽未央」の句は『和漢朗詠集』774にあります。

正月の三枚。

※雑煮

※初釜

※初香