シュンラン
地植えのシュンラン【春蘭】が花開いてから随分と日が経ちました。
薄緑と薄紅色のコントラストが瑞々しく、姿も美しい春の花です。
シュンランの花は食べられるので、今年は手毬麩とネギの「お澄まし」にして食しました。
※中央にシュンラン
シュンランといえば、城山八幡宮・洗心茶会で煎茶席の床を飾っていました。
花付きのシュンランの根を洗い、拳ぐらいの石を抱かせるように根を這わせ、中央の小さな器で水分を供するように工夫して、木板上にあしらわれていました。
切り花ではなく、全体の姿をそのまま見せる手法は新鮮で、「こういう魅せ方もあるんだ!」と感心しました。 (^^)
手間はかかったと思いますが、案外ご亭主さんが一番楽しまれたのかもしれません…。
城山八幡宮を訪れたときには、裏手に回って連理木を見るのが習慣になっています。
大木がさらに大木になっていて、二つの幹がくっついて一つの幹になるのも案外近いような気がしました。
連理木を見るたびに、白居易「長恨歌」の最後の句を思い出します。(勿論、全てを覚えてはいませんが…)
七月七日長生殿
夜半無人私語時
在天願作比翼鳥
在地願爲連理枝
天長地久有時盡
此恨綿綿無盡期
玄宗と楊貴妃の永遠の愛を詠ったエレジーはここに極まっています。
天にあっては願わくは比翼の鳥とならん
地にあっては願わくは連理の枝とならん
上記にある「私語(しご)」は、香銘では「私語」と書いて「ささめごと」と読んでいるようです。
『広辞苑』にも、ささめごと【私語】とあります。
ささめごと…、とても趣のある言の葉に聞こえますぅ…。 (^^)
「ささめごと」と云えば、室町中期の歌人・連歌師である心敬(しんけい)の著書・連歌論「ささめごと」がその筋では有名だとか…。
と言われても、連歌ねぇ…、上の句をひねり出すのも容易ではないのに、とてもとても……遠い世界です。 (^^)