エビネ

ラン科の多年草、エビネ【海老根・蝦根・偕老根】が花盛りです。
根茎の節が多くエビの背に似るところから、この名があるようですが、他に【化偸草】【他偸草】とも書かれています。(※偸=盗)

「一目千本」と賞される吉野の桜、吉野と云えば桜というほど、吉野(芳野)は桜の名所として中世以降定着しています。
以前、花見の時季に訪れたことがありますが、ヤマザクラの群れ咲く景色に圧倒された覚えがあります。
そんな吉野の桜を題材にした盤物組香に「芳野香」があります。

外盤物③「芳野香」

◆香四種(組方は十種香と同じ)
一として 四包に認め内一包試
二として 同断
三として 同断
客として 一包に認め無試

◆聞き方
試み終わりて、本香十包を打ち交ぜ炷き出します。
試みに合せ、札を打ちます。
※所謂「十種香」と同じです。

◆記録(当りばかり記す)
|  二二一三ウ一一三二三
札名 二 一三ウ 一三二三 八

◆盤
盤一面、芳野山、大櫻一本、小櫻十本、幕十張。(十種香札)

平成8年に名古屋・徳川美術館で「香(かおり)の文化」展が開催されました。
同展図録には東京国立博物館蔵「十組盤」の写真が載っています。下は「芳野香」の盤一式です。
解説には、「桜の造花を左右に分けて盤上に立てていく」とあります。

※白く見えるのは「河」