松風騒ぐ…

ここ2,3日の温かさ?に誘われたのか、開花が遅れていた公園の梅「紅珊瑚」がポツポツと花開いてきました。
いよいよ、春ですね~ (^^)

京都・大徳寺の近くにある老舗菓子舗「松屋藤兵衛」の名物の一つが白味噌を用いた「紫野松風」。
味噌松風と云えば、京都では「松屋常盤」「亀屋陸奥」「松屋藤兵衛」の品がその名をつとに知られているようです。
「紫野松風」には栞が添えられていて、文は変体仮名交じりで読みにくい部分もありますが、勝手に以下のように読んでみました。

「松風」は小麦粉に砂糖・飴を加え、白味噌を入れた生地を焼いたもので、松屋藤兵衛の一品は大徳寺納豆と白ごまが散らしてあるところが特徴となっているようです。

当地・愛知県でも各菓子舗こだわりの「味噌松風」がいろいろ作られています。
写真は名古屋・万年堂製の白味噌を用いた「みそ松風」で、白胡麻が散らしてあります。
食感は、カステラに比べるともっちりしているようです。

愛知・岡崎の味噌として有名なのが赤味噌「八丁味噌」。
八丁味噌は、岡崎城から距離八丁の八丁村で造られていたところからその名があるとか…。
白味噌にその八丁味噌を一部加えて製造されているのが備前屋の「八丁みそ松風」。
その栞には「岡崎城にそよぐ松風をイメージして創りました」とあります。

松風騒ぐ丘の上 古城よ独り何偲ぶ……なんて歌が昭和の時代にはありました。 (^^)

松風と云えば、その名の通り「松に吹く風。また、その音」、また、茶の湯では「釜の湯のたぎる音」です。
お菓子としては、「小麦粉に砂糖・水飴を加えてまぜ、水で溶きのばし、鉄板で上から強く焼いて、けし粒を散らしつけた干菓子。」と『広辞苑』にはあります。
思い出しました!!こんがりした表面にけし粒をまぶした板状の四角い菓子を…。
菓子銘については諸説あるようですが、一説には、焼き上がりは裏面が淋しく、うらさびしを浦淋しと洒落、鳴るは松風のみというところからとか…。

勿論のこと、干菓子の「松風」、厚さのある棹物「みそ松風」、どちらも美味頂上です。 (^^)

外組15番【納涼香】

香四種
水辺として 三包に認め無試
山陰として 右同断
木陰として 右同断
風 として 四包に認め内一包試

右、試香終りて出香水辺、山路、木陰の九包に客風の香三包くわへ、十二包打ち交ぜ炷き出す。一二三は十炷香のごとく札打つべし。客香は試みに合せ何時も正札打つべし。風の香当らざる時は其の香の上下当りても点掛ける事なし。又、風の香当る時は其の下違いても点掛けるなり。猶、記録の面にて可考。左のごとし。

(記録例 略)

きろく是に順ずべし。

※香種「山陰」については「山路」とする写本も有。

※訂正: 外組7番【躑躅香】(1月15日付)にある名目「行末の岡」は「行来の岡」に訂正します。