志野忌-松隠軒-
志野流香道初代・志野宗信(1443~1523)を偲ぶ「志野忌」が、家元・松隠軒(松隠軒は宗信の雅号)で行なわれ、お参りに行ってきました。
お天気に恵まれ、露地の草木の芽吹きも一段と鮮やかで、春の陽気を感じながら薄茶席、聞香席、点心席の順に廻りました。
薄茶席では、達磨画賛の掛物、木五倍子(きぶし)の黄色の花、香炉形釜などが印象に残りました。
聞香席の組香は「小草香」。
カタクリの古名である「かたかご」で組み、香は「か・た・こ」三種の四炷聞きでした。
分かりやすく組んであったように感じましたね…。
※『日本の野草』(山渓)よりカタクリ。
カタクリといえば、昔はこの鱗茎からカタクリ粉をとったとか…。
点心は「志ら玉」調製。
お酒も久しぶりにたくさんいただきました。(といっても僅かですが…)
※松隠軒
香道一口メモ・141【一木三銘①】
香銘は本来一木一銘であるが、三銘が付けられた事例があった。茶事にも心を寄せた風流人熊本藩主細川三斎は、異国船が長崎へ入港すると珍奇な渡来品を求めに、寛永初年には興津弥五右衛門という武士に相役一人をつけ出向させた。当時、諸大名もそうであったように同時期に、仙台藩主伊達正宗も唐物を調べさせに家来をつかわしていた。
※寛永初年は1624年。将軍は徳川家光。