三船祭
一昨日のBS・TV番組「京都ぶらり歴史探訪」の中で、嵐山・渡月橋上流の大堰(おおい)川で催される車折(くるまざき)神社の行事「三船祭」が紹介されていました。
「三舟(さんしゅう)の才」=「三船(さんせん)の才」の言葉の元となった故事に因む祭で、今年は5月20日(日)に予定されています。
「三舟(さんしゅう)の才」は、漢詩・和歌・管弦に堪能な才のことで、広辞苑には次のような説明がなされています。
■一条天皇の時、藤原道長の大堰川の紅葉狩りに際し、漢詩・和歌・管弦に通じた藤原公任は和歌の舟に乗り、「朝まだき嵐の山の寒ければ紅葉の錦着ぬ人ぞなき」と詠じて賞せられた。また白河天皇大堰川行幸の際、詩・歌・管弦の3舟を連ね、諸臣の長所に従って乗らせたという故事による■
TV画面では、龍頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)の一対の船に御座船を加えて三船としているようでした。
龍頭鷁首(りゅうとうげきしゅ)は、二隻を一対とし、一隻の船首には竜の頭、他の一隻には鷁の首を彫刻した飾りを付けたものです。(鷁(げき)は想像上の水鳥)
京都嵐山・三船祭では、龍頭鷁首の二隻船上で胡蝶の舞や雅楽が演奏されるようです。(三船祭HPに写真がたくさんあります)
また、御座船には清少納言役の女性他が乗り、「扇流し」の行事も行なわれるようです。
平安の昔の川遊びがどのように行なわれたのか、また三船がどのように飾られた船であったのか、個人的には少し興味があります…。
『絵本源氏物語』(貴重本刊行会)の「胡蝶の巻」の絵には、龍頭鷁首が描かれています。(但し、場面は「六條院四季の町」の池)
※左の舟が鷁首、右の舟が竜頭。
香道一口メモ・157【六十一種名香③】
卓、橘、花散里、丹霞(たんか、中国北宋時代の禅僧名)、花がたみ、明石、須磨、上薫(うわだき)、十五夜、隣家、夕時雨、手枕(てまくら)、有明、雲井、くれない、初瀬、寒梅、二葉、早梅、霜夜、寝覚、七夕、凌晨(しののめ)、薄紅、薄雲、上馬(のぼりうま)。品種別では伽羅が一番多く四十一種。ラコクが六種、マナバン九種、マナカ五種。
ユキノシタの可憐な花です。