西王母の一番咲き
昨夜の雨に濡れた植込みの間から、ほんのりとピンク色が見えました。
近づいて見ると「西王母」が見事に咲いていました。
蕾の時に気付かなかったのが不思議なほど開いています。
花の姿は気品があり美しいの一言です。
尤も、蕾の時なら茶花として用いることもできたでしょうが、ここまで開いたら花を愛でて楽しむことになりそうです。
「西王母」は早咲きで知られていますが、昨年も9月に一度咲いてから一休み、そして初冬から再び咲き出したような記憶があります。
西王母と云えば、女の仙人を束ねて西方に配され、長寿を願った漢の武帝には三千年に一度花咲き実を結ぶという仙桃を授けたという故事で知られています。(ざっくりと!)
因みに、男の仙人を束ねるのは東王父(とうおうふ)で、椿にもその名の品種があります。
西王母、仙桃と聞くと、直ぐに思い出すのが組香「三千年香」(みちとせこう)。
この組香は、仙桃の故事から引かれているようですが、三月・桃の節供の頃に相応しい組香と云えそうです。
8月の猛暑の時季はお休みとなっていたお茶会も9月になってからあちこちで再開しています。
ひょっこり西王母に出あうような、そんな機会も遠くはないような気がしています…。