城山八幡宮の藤花
名古屋・城山八幡宮の洗心茶会に行ってきました。
八幡宮境内の藤は満開で、辺りはすっかり初夏の装いです。
今日の席主さんは、表千家・村瀬宗又氏と裏千家・荒木宗鈴氏のお二人。
表千家の床には、独特の書体で一目でそれとわかる十四代・即中斎宗匠の一行「百花為誰開」(ひゃっかたがためにかひらく)。
華やかな模様の花入れに目が留まり、お尋ねしたところ「デルフト陶器でオランダでひろってきたもの(笑)」とのことでした。
「私もひろってきたい…」とチョッピリ思いましたネ。(^O^)
主茶碗は二代・道年の「不二山」写し。
本歌である本阿弥光悦の国宝・白楽茶碗「不二山」は、諏訪湖畔の「服部サンリツ美術館」に所蔵されていて、以前見学した際に絶妙な肌の具合は偶然の賜物という印象を受けた覚えがありますが、今日の道年さんの写しは手になじむ柔らかい作風でした。
「不二山」には「振袖茶碗」の別名があるとのことでした。
本阿弥光悦の娘が大阪に嫁すときにこの茶碗を包んだ振袖の片袖が、「不二山」には添っていることからの別名とか…。
裏千家の床に掛けられていたのは十三代・円能斎宗匠自筆の「富士山」の画。
墨蹟鮮やかに富士山の輪郭を描いただけの画でしたが、めちゃくちゃ洒落ていました。
こうした掛物を拝見できるのですから、お茶会には出かけるものだと、素直に思いました。
そうそう、席主さんのたのしいお話もてんこ盛りでした…。(^O^)
※参道脇のツツジ。
詩歌をちこち 【菊合香】
|『古今和歌集』巻第五 秋歌下 272
| おなじ御時せられけるきくあはせに、すはまをつくりて菊の花うゑたりけるにくはへたりけるうた、ふきあげのはまのかたにきくうゑたりけるによめる すがはらの朝臣
秋風の吹きあげにたてる白菊は 花かあらぬか浪のよするか〔大意〕秋風が吹き上げている「吹上」の浜に立っている白菊は、花なのか、そうではないのか、あるいは波が寄せているのか。
*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)
※菅原道真(すがわらのみちざね)