平成最後の…

4月も残すところ、今日を含めてちょうど一週間。
週間の行事はどれも「平成最後の」が付く記念の行事と云えそうです。

2001年(平成13年)から始まった月イチの「和楽会」も、今日が平成最後の和楽会となりました。

表千家流の習いでは、吊り釜は4月にかけることが多いように聞いています。(裏千家流は3月)

※胴炭の力は絶大です!

エビネの時季を迎えました。
今年は開花が若干遅かったようですが、和楽会になんとか間に合いました。

詩歌をちこち 【龍田香】

|①『後撰和歌集』巻第七 秋下 388
|  題しらず   よみ人も
秋風のうち吹くからに山ものも なべて錦におりかへすかな
〔大意〕秋風が吹くや否や、それによって山も野も一面に錦に織って翻すように見えることであるよ。

|②『後撰和歌集』巻第七 秋下 387
|  人人もろともにはまづらをまかるみちに、山のもみぢをこれかれよみ侍りけるに   ただみね
いく木ともえこそ見わかね秋山の もみぢのにしきよそにたてれば
〔大意〕何寸ぐらいの錦が残っているのか見分けることが出来ません。ここは海辺で、秋の山の紅葉の錦は遠く離れた所に立っていますので。

|③『後撰和歌集』巻第七 秋下 393
|  鏡山をこゆとて   そせいほうし
かがみやま山かきくもりしぐるれど もみぢあかくぞ秋は見えける
〔大意〕ここ鏡山においては山がかき曇ってしぐれているのだけれども、それでも、秋は紅葉が赤く美しく見えることであるよ。

|④『後撰和歌集』巻第七 秋下 385
|  題しらず   つらゆき
唐錦たつたの山も今よりは もみぢながらにときはならなん
〔大意〕韓錦を裁つなどという名のある竜田山であるが、今からは紅葉したままで、断つことなくいつまでも続いてほしいことであるよ。

*和歌出典『新編国歌大観』(角川書店)
*大意出典『新日本古典文学大系』(岩波書店)

※壬生忠岑(みぶのただみね)
※素性法師(そせいほうし)
※紀貫之(きのつらゆき)