曜変天目茶碗・龍光院蔵

瀬戸市美術館で開催中の「曜変・長江惣吉展」はメディアでも取り上げられて、話題になっているようです。
曜変天目の再現まであと一歩、という段階に達しているようには感じますが、その「あと一歩」が実は案外手強いのかもしれません。
長江氏の執念と強運が実る日が近いことを切に願っています。

先日も触れましたが、国宝に指定されている曜変天目茶碗は次の三点です。
1.東京:静嘉堂文庫蔵(稲葉天目)
2.大阪:藤田美術館蔵
3.京都:龍光院蔵

上記三点の内、静嘉堂文庫蔵および藤田美術館蔵のものは、比較的目に触れる機会が多いのではないでしょうか。
前者は、今春、東博で開催された「茶の湯展」にも展示されていましたし、後者は藤田美術館でも定期的に展示されているようです。

滅多にお目にかかれないのが京都大徳寺塔頭・龍光院蔵の曜変天目茶碗。(私はまだ見ていません)
ネット上に画像はあるようですが、手元の図録を探したところ、名古屋名鉄百貨店で昭和47年に催された「茶の湯名宝」展図録にありました。

曜変天目

画像を見た限りでは、静嘉堂文庫蔵および藤田美術館蔵の二碗とは、少し趣が異なっているように感じます。
実物をこの目で見たいとは思いますが、龍光院は拝観謝絶、堅く門を閉ざしている寺ですので、多分お目にはかかれないと思います。
もし、展覧会に出るような事があれば、国内ならどこへでも行こうと思っています。(でも、きっと東京、京都のどちらかですネ)

図録中での解説です。
「中国宋時代に福建省の建窯で焼かれた曜変天目の王者で、古来、茶碗の最高峰として崇敬されている。伝世はわが国だけで世界のどこにもない。本品と静嘉堂、藤田美術館、個人蔵の四点が現存する。」

個人蔵の文言には、目が点になりました…。

国宝指定は三点ですが、他にもどなたかがお持ちなのでしょうか。